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  2. 日本料理 Japanese

  3. フランス料理 French

  4. イタリア料理 Italian

  5. 中華料理 Chinese

  6. 韓国料理 Korean

  7. ベトナム料理 Vietnamese

仕組み

お米が炊ける仕組み

今日は土鍋でご飯を炊く。「土鍋で炊くお米」の炊き方ですね。

ご飯というのは日本人にとって一番大切な主食ですから、この炊き方を覚えて欲しいと思います。

まずは、「お米を炊く仕組み」炊けていく過程を知っておくことが大事です。

洗米

お米を研いではならない

洗米〉まずお米は洗わなくてはならない。
なぜ洗うかというと「臭み」や「米ぬか」が多少ついていてそれを洗い落とすことが必要です。
お米を研ぐと言いますが、「お米は研いではいけません」。研ぐというのは、固いものと硬いものをこすり合わせて行います。
お米は洗うんです。

洗う際、一番はじめの水はお米が良く水を吸うから早めに捨てると言いますが、この時点でお米はそんなに水を吸いません。
お米が十分に水を吸うのに30分ほどかかりますので、急いで捨てる必要はありません。
「お米は乾物」ですから、〝ひなた〟〝ぬか〟の臭さみがあります。
ここで軽く揉むとたくさんの水を使わなくても一気に臭みは落ちます。
水の温度は気にしないで結構ですが、お湯では洗わないでください。

くれぐれも強く洗わないでください。
お米にヒビが入りお米が壊れてしまいますから。優しく揉むような感じで汚れを落としてください。
水が完全に透明になるまで洗わなくとも大丈夫です。
多少汚れと臭み落としておけば、そんなに気になるものではないです。
だいたい2~3回水を取り替えて水に多少濁りがある程度で大丈夫です。

浸水

お米は乾物です、まずお水をあげます

浸水〉洗米の後に浸水という時間が必要です。
なぜ浸水しなければいけないかというと「お米は乾物」だからです。
乾物ですからそのまま炊ける仕組みにはなっていません。

洗米が終わったら「15分水に浸けて」おき、ざるにあけます。 このとき水分を吸収してお米は白濁してきます。
それから「15分ざるにあける」ことによって、水が芯まで浸透します。水が芯まで浸透していないと、加熱したときにお米のでんぷん質が変身できません。

まず〈洗米〉〈浸水〉_15分〈ざる〉にあけ_15分、ご飯を炊くまでの「準備に30分」です。
無洗米もこの30分は同様に確保してください。

炊く/蒸らす

土鍋は始めパッパ

水加減〉浸水でお米は水を吸っていますので「お米の分量の同量弱の水」で炊いていきます。

火加減〉炊くときには「100度」という温度がないとおお米は変身できません。ですから極端な言い方をすれば富士山では水の沸点が低いのでご飯が炊けません。はじめチョロチョロではありません「はじめパッパッから」いきます。最初は強火で吹きこぼれない程度の火力から徐々に徐々に弱めていって、「25分ほど炊いた」後に火を止めて「5分から10分蒸らし」て30分強。洗米から「トータルで1時間」くらいお米を炊くのに時間がかかるということを覚えておいてください。今日は土鍋で炊きますが、フライパンでも普通の鍋でも同じことです。

土鍋で炊く〉なぜ土鍋で炊くかというと金属ですと熱が直接伝わりますので意外と難しいんです。土鍋ですと火の当たりに余裕があり、柔らかいく楽だということです。さらに蓋に重みがあるので圧力がかかりやすいのです。本日は3合炊きますので、茶碗で3杯お米を土鍋に入れます、この時茶碗に約2杯半の水を入れます。このくらいの分量で炊くとちょうど良い炊き上がりとないます。土鍋の蓋には穴が空いています。ここからの吹きこぼれを防ぐためにアルミホイルで穴の部分を覆うようにします。火を当てると「強火で7分」ほどで沸騰して湯気が吹いてくるようになります。湯気が吹いてきたら、吹きこぼれないように火力を調整していきます。「中火強くらいで7分弱」くらいです。水分があるうちは蓋を開けて確認して大丈夫です。水分がなくなり、お米肌が見えてきます。お米肌が見えてきたら、蓋をなるべく開けないようにしてください。お米肌が見えたら「火力をワンランク落としてさらに7分弱」炊きます。

蒸らし〉土鍋から香ばしい香りが出てきましたら、「弱火にして5分」待ってください。
この後に火を止めて「5~10分蒸らし」ます。なぜここで蒸らすかという仕組みですね。
土鍋の下から火力を当てますと、上に湯気が出てきます。
火を止めるとその途端に鍋中の圧力がなくなるため蓋から下へと蒸気が降りてきます。
それまでは表に逃げようとした蒸気が今度はお米を覆い、霧が降りるように包み込みます。
するとお米粒がふっくらと膨らみます。 このお米の美味しさを引き出す「蒸らす」という作業が重要です。

ポイント

日本では炊く、海外は茹でる

「炊く」というのは日本人特有の調理法であって、外国では「茹でる」です。
日本では炊くときにお米から出た「おねば」を再びお米に戻すという特殊な作業をするので「ご飯」が美味しいのです。
蒸らしを終え炊き上がりましたら、上と下をかき混ぜます。
ご飯を盛るときは、ただ茶碗に入れるのではなくて、真ん中を小高くして美しい盛り方をしましょう。

ご飯を美味しく召し上がるポイント土鍋に残ったご飯は、布巾をかぶせ蓋を斜めに置きます。
もっと
時間を置くときは、バットにあけて空気に触れさせます。おこげは醤油を垂らすと焼きおにぎりのような風味の美味しさとなります。

炊飯器で炊く場合〉炊飯器で炊く場合も、洗米後の15分間の浸水と、ざるにあけての15分間は確保してください。
そして土鍋と同じく炊く際の水の量は、お米を浸水していますのでお米と同量弱にして、炊飯の設定は「早炊き」「高速炊き」にしてください。
炊飯器には調理時間(約1時間)の設定に浸水の時間が含まれています。
炊飯器は浸水に使った水をそのまま使って炊きますが、先に浸水させておいて水を替え短時間で炊いた方が美味しいご飯ができます。

 

 

野﨑洋光料理長 料理塾「白米(土鍋で炊く)」