手水
美味しいおにぎり
美味しい〈おにぎり〉を作る方法です。
炊き上がったご飯、土鍋でも炊飯器でもなんでもよろしいんですけれども、炊き上がりは熱くて握れませんので、冷めない程度に寝かせます。
まず、十分にほぐしてあげることが大事です。
おにぎりを作るときは「手水」を作ります。
「手水」には「10%程度の濃度の塩水」を作ります。
なぜ手水/塩水を作るかと申しますと、握ってから塩を振るとまばらになますが、塩水を手につけて握ると均等に味がつき、失敗がありません。
ご飯の粗熱が取れましたら、手を塩水で湿らせてください。
握る
手の保湿が肝心
だいたい「70~80gのご飯」をとります。
ご飯を握るときにギュウギュウ押すのではなくて、手のひらの付け根部分(手根部)と指先で閉めるようにして、上の手はそっと形をとるだけにしてください。
こうすると、「ふっくらとしたおにぎり」ができます。
口の中でほぐれていく美味しさが作れます。
プレスをしてしまいますと、お米が美味しくなりません。
また、ご飯が冷めすぎてもなかなか形が整いません。
手水の水加減も、塩水か付きすぎてしまうと、ボロボロとおにぎりが崩れてしまいます。
名人と呼ばれるお寿司屋さんの握りは、「ほどよい湿度が手の中に残っている」ため、よい握りができます。いかにお米をプレスしないで、米と米をくっつけるかが大事です。
究極
おにぎりと侮るなかれ 究極のおにぎり
それでは「究極のおにぎり」を紹介します。
それは「握らないおにぎり」です。
まず「お椀」を用意して、お椀にボウルの塩水を絡ませます。
絡ませたら塩水をボウルに戻します。
お椀にご飯(70~80g)を入れましたら、お椀の底の部分とお椀の吸い口の部分、上下でお椀とご飯が接している部分を、手のひらと指で軽く押さえます。
押すのは上下の部分だけで真ん中部分は押しません。
押したらぐるっと回して、もう一度反対側の上下を押します。
「どら焼き」をイメージしてください。
真ん中がこんもりして、両端が押さえられているカタチです。
これですと、ご飯に「押されたストレス」が一切ありませんので、口の中でほぐれる美味しい「究極のおにぎり」となります。
海苔
おにぎりとはいえ芸術です
「俵形」を作ります。やはり手水をつけましてぐっと握らないで俵の形を作ります。
おにぎりに巻く海苔ですが、用途に応じて色々な切り方があります。
大きく切った三角の海苔は、究極のおにぎりを包みます。
縦長に切った海苔は、俵形に巻きます。
普通のおにぎりは、幅の広い縦長の海苔で挟みます。
次に「具を入れたおにぎり」です。
やはり70~80gのご飯を手に取り、真ん中に穴を開けながら具を入れます。
「液体状の具はご飯がほぐれてしまう」ので避けてください。
親指で具を入れるようにして、全体を包み込むようにして握ります。
完全に具を隠すように握る方法もありますが、中に何の具が入っているかわかるように、具を見せるように握るのも、優しさかと思います。
おにぎりは米を潰さないというのが大事なことです。
ご飯を強くプレスしてしまうと、おにぎり本来の美味しさである「口の中でお米がほぐれる」というものが損なわれてしまいますので、十分に注意してください。
おにぎりとて芸術でございます。
その、ひとつひとつを味わってください。