公爵の酢
小雪の初候_「虹蔵見/にじかくれてみえず」この時候に「バルサミコ/BALSAMICO」を使って。
虹蔵見_11月22日から11月26日
虹蔵見_外気冴え冴えと、虹を見ることが少なくなる季節です。
今回の『シェフの知恵』で取り上げるバルサミコは、現在もイタリアそれもエミリア・ロマーニャ州モデナ近郊でしか生産されていません。
モデナを中世より治めていたエステ家では他の公国への贈答品としてバルサミコを用い、貴重な外交の道具として重用しました。長い歴史の中でバルサミコは、モデナ貴族など上流階級の自家用もしくは贈答にしか用いられず、売買されていなかったため一般に流通していませんでした。またエステ公爵は、城に招いた賓客にまず一杯のバルサミコをアペリティフ(食前酒)として供したため〈公爵の酢〉とも呼ばれます。
バルサミコは、酢といってもドロリとしたシロップ状の液体で、色も深い焦げ茶色をしており、一見しただけではとうてい酢には見えません。また舌で味わうと、その香りと風味は、バルサム〈木から採る香油〉の名が示す通り芳醇かつ繊細で通常の酢の概念にないものです。
バルサミコ_アンチエイジングに
バルサミコ_イタリア・モデナの特産物である。通常の酢は、ワインビネガーのようにアルコールから作られるが、バルサミコは葡萄のモスト(ジュース)から直接作られる。そして、いかなるスパイスや香料を加えられることなく、異なる材料の樽の中で、その醸造度に応じて詰め替えられて、ゆっくりと自然発酵しながら酢となっていく。熟成には30年、40年、時として百年かけることもあり、バルサミコが「百年の酢」とも呼ばれる所以である。
【使い方のヒント】長い年月を重ねて樽の中で眠り続けたバルサミコは、それ一本で家庭の料理を豊かにする。焼いた肉に垂らせば格段に旨味が豊かになり、チーズやバニラアイスクリーム、イチゴとも相性が良い。
【選び方】昔ながらの製法で作られて、「モデナ・バルサミコ協会/*DOPが認定したバルサミコ」(通称トラディツィオナーレ)には証紙が貼られ、どの製造元のものでもジウジアーロ(イタリアの有名な工業デザイナー)がデザインしたユニークな形の同じビンに入れられる。イタリアでは本来の製法ではない安価な擬似商品も多く出回る。
*DOP( Denominazione di Origine Protetta)イタリアにおける原産地名称保護制度
【産地】中央イタリア、エミリア・ロマーニャ州モデナ近郊。
【旬の時期】通年販売される。
【栄養】バルサミコ酢には、黒酢の約3倍のぶどう由来のポリフェノールが多く含まれている。また、ビタミンの一種「ビオチン」をはじめ、「カリウム」「鉄分」「カルシウム」などミネラルも豊富に含まれていて、美容やアンチエイジング効果もある。
料理のレシピは、濱崎泰輔シェフ「牛肉のタリアータ」秋元さくらシェフ「きのこのクリームオムレツ」音羽創シェフ「豚ヒレ肉のロースト」「豚バラ肉とレタスとグリーンピースの温かいサラダ」古賀純二シェフ「豚肉のカツレツごぼうソース」などを参考にしてください。