「ラ・タルタルギーナ」
濱崎泰輔
噛むほどに赤身の美味しさが広がります。
口伝
牛肉のタリアータ
今回は牛肉の「ミスジ肉※」を使います。
この部位はヒレと同じくらい柔らかい肉となります。
※ミスジ_牛の肩甲骨の内側にある部位の霜降り肉,1 頭からは少量しか取れないため貴重。
タリアータを作る
室温に戻した「牛ミスジ肉」の両面に「塩」「胡椒」をします。
フライパンに「オリーブオイル」をひいてから「牛ミスジ肉」を入れて両面を強火で焼いて焼き目を入れます。
あまりここで火を入れ過ぎてしまいますと美味しくなくなりますので、サッと強火で表面を焼いたら裏にして表面を満遍なく焼きます。
全体的に軽く焼きましたら「牛ミスジ肉」をバットに移します。
バットを240度に熱しておいたオーブンに5分間入れて火を通します。
5分経ちましたらオーブンから取り出して、バットにアルミホイルを被せて「牛ミスジ肉」を休ませます。
こうすることによって肉汁を身の中に閉じ込めておくことができます。
今ここで慌てて切ってしまうと、美味しい肉汁が全部出てしまいますので、少し休ませます。
肉を休ませている間に、付け合わせのサラダを用意します。
今回は「モアーク農園※の有機栽培ベビーリーフ」を器に盛り付けます。
※モアーク農園_つくば市を拠点に置き、“草農法”と呼ばれる伝統的な農法を用いて有機野菜の生産を行う農業法人。 ベビーリーフは、ルッコラなどのハーブ類やミズナ、ビート、レタス類など7~10種類の野菜を幼葉の段階で収穫しミックスしたリーフサラダ。
休ませた「牛ミスジ肉」をバットから取り出して、お好みの一口大の大きさに切り分けますが、あまり薄くしてしまいますと肉本来の美味しさが伝わらないと思いますので、少し大きめに切り分けるようにして下さい。
今回の牛は牧草で育った健康な牛ですし、中でも「ミスジ肉」は赤身の中でも私が好きな部位です。
焼きすぎてしまうと赤身肉の美味しさが半減してしまいますので、レアーもしくはミディアムレアーを目安にくれぐれも焼きすぎにご注意ください。
器に盛りましたら「塩」をふり、「エキストラバージンオイル」を回しかければ出来上がりです。
また、今回は15年物のバルサミコ酢を添えましたが、ご家庭ではバルサミコ酢を煮詰めて濃度をつけたものを冷ましてからお使いいただければと思います。
詳しくはこちらをご覧ください。
柔らかい赤身のミスジ肉を味わっていただく〈牛肉のタリアータ〉完成です。
材料〈4人から6人前〉
材料 |
牛ミスジかたまり肉(※1)3本(700g) |
※1.ミスジ肉は肩甲骨の外側にある希少部位。肉質はやわらかく、穀物を食べて育った牛のミスジは霜降りで、牧草を食べて育った牛のミスジは赤身が多いのが特徴。レアでいただくタリアータには赤身が多い方が向いている。ヒレ肉で代用してもよい。
作り方
【下準備】
・牛肉は室温に戻しておく。
・オーブンは240℃に予熱しておく。”
① 牛肉はバットに入れ、全体に塩と黒こしょうを振る。
② フライパンにオリーブ油を強火で熱し、①を焼く。色が変わったら返し、表面だけに軽く火を通してバットに取り出す。
③ ②を240℃に熱したオーブンで5分ほど加熱し、取り出す。アルミ箔を被せ、1~2分休ませる。
④ 牛肉を3㎝幅に切り分けて器に盛り、ベビーリーフを添える。牛肉に粗塩を振ってオリーブ油をかけ、お好みでバルサミコ酢をかけていただく。
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