「麻布長江香福筵」
田村亮介
さっと作ってもりもり食べたい
手軽に作れて栄養たっぷり、ピリ辛が食欲をそそります
口伝
豆板醤を使い切る
「豆板醤」は、ご家庭にあってなかなか使い切れなかったり、使う料理が限られていて、それ以外だとなかなか活用しにくいという声をよく聞きます。
その「豆板醤」を使ってパッと手早くできる料理をご紹介したいと思います。
〈下準備〉材料は「豆もやし・搾菜(ザーサイ)・万能ネギ」を使います。
シンプルですけれども、これは量も食べられますので、さっと作ってもりもり食べられるというメニューにしてあります。
「豆もやし」は、袋から出して「30分ほど」お水に浸けます。
これは、袋に入っている豆もやしは、どうしても蒸れた感じの匂いがしますので、それを取り除くためです。
「搾菜」は塩につけた中国の漬物です。
そのまま食べても美味しいのですが、この後、塩分のある豆板醤と和えたりしますので、「3~4分流水にさらして少し塩気を抜いて」から水気を切ります。
中国料理では「切り方を揃えるという定義」がありますので、豆もやしと同じ形のように「搾菜も細切り」にしていきます。
薄切りになっている「搾菜」をまな板に並べて、豆もやしに近いサイズに細切りします。
「万能ネギ」も短めに切ってから、小口切りというか「みじん切り」にいたします。
中国料理のイメージは強火でパッパッと手早く作るイメージがあると思うんですが、
手早い理由は強い火もあるんですけれども、必ず調理の前に切るものは切って準備し「下処理が済んだものを手元に持ってきてから調理に入るというのが、基本中の基本」だからです。
ですから手早く作ることができます。 これで下準備の終わりです。
〈調理〉沸騰したお湯に「豆もやし」を入れて「強火で一気に30秒ほど」しっかりと茹でます
茹で上がりのタイミングは、豆もやしを食べてみて「豆が程よい固さになったところ」を確認して上げてください。
取り出した豆もやしは「水に浸けずに」ザルに上げたまま粗熱を取ります。
水に浸けてしまいますと、どうしても水っぽくなりますので、ゆっくりと粗熱を取ります。
粗熱が取れたら、キッチンペーパーでしっかりと水気を取りボウルに移します。
完全に冷ましても、味が馴染みにくくなりますので「冷めてしまう前に、調理をします」と味が全体に絡みやすくなります。
ボウルに搾菜を入れて、全体的に混ぜます。
必ず味見で塩気を知る
この時に「必ず味見」をします。
搾菜の塩分の度合いがとても大事だからです。
このあと、「豆板醤」と和えますが、豆板醤にも塩が入っていますので、しっかりとした味を作る上でも、余分な調味料を加えないためにも塩分の度合いを確かめます。
搾菜や豆もやしの旨味や風味、ネギも活かしながら味を付けていきますので、搾菜の塩分と豆板醤の塩分と風味を使って味わいを作っていきたいと思います。
調味料(豆板醤)を入れる前に味見をして、「足りない塩分を豆板醤で補う」というイメージですね。
豆板醤を入れたら「お酢」を入れます。酸味を足すというよりは、辛さを断ち切るという意味で「隠し酢」として入れます。
あとは「お醤油」をほんの少々と風味づけに「ごま油」を入れます。
調味料を入れてからは、しっかりと「手で揉み込み」ながら和えていきます。
優しく和えるというよりも少し力を入れながら
手でしっかりと揉み込んだ方が味わいも風味もまとまりやすいのです。
仕上げに「万能ネギ」を入れたらさっと混ぜれば結構です。
この時力を入れてしまうとネギから水分が出て全体が水っぽくなってしまいます。
本日は「豆もやしと搾菜」という組み合わせでしたが、ご自宅である「野沢菜などの漬物」を使っていただいて、お野菜も細長く切れるものが美しくできるので「人参・大根・きゅうり」などを一緒に和えていただいても、色合いが美しくなりますのでよろしいと思います。
器に盛り付けて、シャキシャキの食感が楽しめる〈豆もやしと搾菜の豆板醤和え〉完成です。
材料〈2人前〉
材料 | 豆もやし 100g/ザーサイ 40g/万能ねぎ 10g |
〈調味料〉材料 | 豆板醤 小さじ1/醤油 大さじ1/2/酢 大さじ1/2/ごま油 大さじ1/2 |
作り方
① 豆もやしは袋から出して30分程水に浸けて置く。
② ザーサイは3~4分流水にさらしてから水気を切り、細切りにする。万能ねぎは小口切りにする。
③ 鍋に湯を沸かし、水気を切ったもやしを30秒程茹でる(強火)。茹でたもやしはザル に上げて、ペーパータオルで水気を取る。
④ ボウルに③とザーサイを入れ混ぜる。
⑤ ④にザーサイの塩味を考慮し豆板醤、酢、醤油、ごま油を入れ手でしっかりと揉み込む。
⑥ 仕上げに万能ねぎを加えさっと混ぜる。
⑦ 器に⑥を盛り付け完成。
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