「よだれ鷄」
飯田徹也
甘めの肉味噌とたっぷりの薬味の〈ザァージャン麺〉
口伝
代表的な北京料理
〈ザァージャン麺〉は、主に「甜麺醤(てんめんじゃん/小麦粉に麹を加えて発酵させた甘辛い味噌)」を使用する料理になります。
「甜麺醤」は、炒め物や煮物の隠し味に入れるとコクが出ます。
〈餡を作る〉主な具材に「豚ひき肉(肩ロース)」を使います。
「豚ひき肉」は脂身と旨味が出るように、しっかり炒めるのがポイントです。
「豚ひき肉」から脂が出ますので、油は少なめで大丈夫です。
火加減は中強火くらいでひき肉が固まらないように、しっかり「ほぐしながら」炒めます。
しばらくしますと豚ひき肉から脂が出てきます。
この脂が「透明に澄んで」きましたら、「ニンニク・生姜」を加えて、さらにしっかり炒めます。
ニンニクと生姜の香りが上がってきましたら、味に変化を生ませるために「豆板醤(とうばんじゃん)」を入れます。
(豆板醤が苦手な方は入れなくても大丈夫です。)
それから「甜麺醤」を入れますが、「甜麺醤は焦げやすい」ので中火の火加減にして、香りを出すような感じで炒めます。
全体に混ざって色が綺麗になりましたら、「紹興酒・中華スープ(無塩の鶏ガラスープ)・醤油・砂糖」を入れて若干煮詰めていきます。
ひと煮立ちしたら、味見をしていただいて、大丈夫でしたら「片栗粉でとろみ」をつけます。
この餡がスープの代わりにもなるので、少し緩めに、麺に絡むくらいの柔らかさになるように「強火でとろみ」をつけます。
最後に「ごま油」を入れて餡の完成です。
〈麺を茹でる〉麺を茹でる時は必ず沸騰したお湯で茹でます。
火加減は「強火」でお湯が沸いている状態にします。
鍋の中で「麺を泳がせる」ような感じで茹でると、仕上がりがまとまって、茹で漏れがなくなります。
〈ザァージャン麺〉の場合、麺を茹で上げてから水で麺のヌメリを取りますので、少し長めに茹でてください。
茹で上がりましたら、水で洗って「ネメリ」を取ります。
ヌメリを取ることで「餡が絡みやすく」なります。
夏場でしたら、このまま冷たい麺に餡を乗せて召し上がっていただいても大丈夫です。
ヌメリを取った麺をもう一度温めて、ごま油を混ぜ、ほぐれやすいようにします。
〈盛り付け〉器に麺を入れたらたっぷりの餡をかけます。
「レタス・きゅうり・紅芯大根・白髪ねぎ・パクチー(香草)・刻んだピーナッツ」をトッピングして完成です。
甘めの肉味噌とたっぷりの薬味を絡めて〈ザァージャン麺〉ができました。
材料〈4人前〉
材料 | 中華麺 4玉 |
〈餡〉材料 | サラダ油 適量/豚ひき肉 300g/にんにく 20g/しょうが 14g/豆板醤 小さじ1/甜麺醤 200g/紹興酒 小さじ1/鶏ガラスープ(無塩) 120ml/しょうゆ 30g/砂糖 12g/水溶き片栗粉 適量/ごま油 少々 15cc |
〈トッピング〉材料 | きゅうり、紅芯大根、レタス、白髪ねぎ、香菜、ピーナッツ 各適量 |
作り方
【下準備】
・にんにく、しょうがをみじん切りにする
① あんを作る。中華鍋(またはフライパン)に油を入れて強めの中火で熱し、豚ひき肉を炒めてカリッとしたら、にんにく、しょうがを加えて焦がさないようしっかりと炒める。火を弱め、残りの材料を砂糖まで順に加え、水溶き片栗粉でゆるくトロミをつける。強火にしてごま油をかける。
② 中華麺は袋の表示よりも少し長めにゆでてザルにあげ、流水でしめる。水気をよくきり、ごま油をまぶしておく。
③ 器に②の麺を盛り、①のあんをかけ、細切りににしたきゅうり、紅芯大根、レタスと白髪ねぎ、香菜の葉、砕いたピーナッツを乗せる
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