「麻布長江香福筵」
田村亮介
おもてなしにぴったり、食感も彩りも楽しい一品
口伝
アジの中華風刺身
もともと中国では、日本のように刺身を食べる文化はありませんが、近年、上海や香港などの沿岸部など海に近いところでは、刺身を食べるところも出てきています。
本日は日本を代表する夏の魚「アジ」を使い、ソースに「豆板醤」を入れようと思います。
具材の処理
刺身に添える野菜「大根」「人参」「きゅうり」「ねぎ」を切りますが、野菜に決まりはなく、見た目に美しく、食べ応えのある材料として選びました。
料理は彩が大事なので「大根」「ねぎ」の白、「人参」のオレンジ、「きゅうり」の緑を3色から4色の色を合わせた方が美しくなります。
「大根」「人参」「きゅうり」「ねぎ/外側だけ使います」は、なるべく細く薄く、同じ大きさになるように切ります。
スライサーやカッターをお使いいただいて結構です。
細切りにした野菜は水につけてシャキッとさせます。
「らっきょう」「ガリ」を薄切りにします。
本日の刺身は、見た目、味わい、食感など口の中で色々賑やかな料理にしたいのでこれらを入れます。
さらに「柿の種」をビニール袋に入れて手で荒く砕きます。
「柿の種」ではなくても、アクセントとなる香ばしいナッツ系のものを加えたいので、「バターピーナッツ」などで結構です。
盛り付ける
骨や皮を取り除き三枚におろした「アジ」を用意します。
「アジ」を切り分けますが、盛り付けの際キレイになるように、サクの形をそのまま残して切ります。
魚は、刺身で食べるものでしたら「アジ」に限りませんが、淡白な白身魚よりも、少し癖のある青魚の方が、「豆板醤」と「醤油」を入れたソースには相性が良いと思います。
野菜「大根」「ねぎ」「人参」「きゅうり」は、巻いて形を作ってから水を切り、形が崩れないようにキッチンペーパーなどでくるんで水気を取ります。
盛り付けは全体のバランスを考えながら盛り付けます。
盛り付けるときは、なるべく野菜類が高くなるように盛ります。
色が重ならないように置きましたら、「ガリ」と「らっきょう」「香葉」を添えますが、「香葉」が苦手な方はハーブ系のもの、もしくは大葉やセロリでも構いません。
この上に砕いた「柿の種」を全体的に散らします。
この香ばしさがプラスされることによって、日本の刺身になかなかない味わいになります。
ソースを作る
「濃口醤油」「豆板醤」「酢」「ごま油」を加えて混ぜ合わせます。
「豆板醤」は買ってきたままのものですと、どうしても発酵臭が強すぎますので、必ず油と合わせて加熱したものを使ってください。
※こちら「豆板醤の改良」をご参考ください。
〈アジの中華風刺身〉ピリッと辛い豆板醤のソースをかけて、和えてお召し上がりください。
材料〈2人から3人前〉
材料 |
鰺(3枚におろしたもの) 1尾/大根 少々/きゅうり 少々/にんじん 少々/ねぎ 少々/香菜 少々/らっきょう 4~5粒/ガリ 15g/かきの種 少々 |
〈ソース> |
醤油 大さじ3/酢 大さじ1/2/ごま油 大さじ1/3/豆板醤(加熱したもの) 大さじ1/2 |
作り方
① 大根、きゅうり、にんじん、ねぎは長さ・細さを揃えた細切りにし、各々水に放ち、シャキッとさせ水気をしっかりと切る。
② らっきょうは薄切りにし、ガリは細切りにする。かきの種をビニール袋にいれ手で砕く。
③ 鯵は食べやすい大きさに切り器に盛り、彩を見ながら野菜類をまわりに盛る。かきの種を散らす。
④ ボウルにソースの調味料を全て入れ混ぜ合わせる。ソースを器に入れ、③に添えて食卓へ。
⑤ 鰺にソースをかけ全体を混ぜて食べる。
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