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中華料理 田村亮介 料理の時候 通年料理 新着レシピ

麻婆豆腐

「麻布長江香福筵」
田村亮介

四川料理の代表。人気店 麻布長江の味をご家庭で

口伝

麻婆豆腐

「麻婆豆腐」は「豆板醤」を使う代表的な四川料理です。
本日は絹ごしの柔らかい「豆腐」を使います。
本来中国では硬めの「豆腐」を使うことが多いのですが、「豆腐」はふわっと柔らかい方が美味しいと思います。
また、しっかりと炒めた「豚ひき肉」を噛む時の食感と、柔らかい「豆腐」を口の中で合わせることによって、刺激され元気になります。
本来中国では「麻婆豆腐」には「葉にんにく」という野菜を使いますが、なかなか日本では手に入りませんので、本日は「長ねぎ」と「ニラ」を使って作ります。

具材の処理

「ニラ」をみじん切りにしますが、長いままですと時間がかかるだけなので、3等分ほどにしてから切ります。
次に「長ねぎ」のみじん切りですが、「長ねぎ」を回しながら、縦の繊維に沿って真っ直ぐ切り目を入れます。
この時まな板まで貫通するように、しっかりと切り目を入れるようにします。
しっかりと縦に切り目が入りましたら「長ねぎ」を横にしてみじん切りにします。

※中華包丁について_ご家庭にある洋包丁や牛刀とは、まず大きさが違い、そして両刃です。片刄ですと波を打ってしまうことがありますが、両刃であることにより、真っ直ぐ斬り下ろすことができます。また、大きいので食材を乗せて移動することができますし、食材を叩いて潰すこともできます。大きく重いので使いにくいと思われるかもしれませんが、重い方が力を必要とせずに切ることができます。これらが中華包丁の利点です。

「絹ごし豆腐」を1.5cm角に切りますが。大豆の旨味が含まれている「豆腐」には、余計な水分はないと思いますので、水切りなどはしません。
「豆腐」の持つ〝旨味〟と〝水分〟で麻婆豆腐を作ります。

炒める

中華鍋は鉄鍋が基本ですが、必ず煙が薄く出るくらいまで熱してから使います。ここに油を少し入れてなじませます。
鍋の表面に油をコーティングすることによって焦げにくくなりますので、料理をする場合は必ずここからスタートします。
「豚ひき肉」を炒めますが、必ず弱火から炒めます。いきなり強火で炒めてしまいますと、パラパラになる前に表面だけ焦げてしまいます。
「豚ひき肉」がほぐれてきてから温度を上げます。
「麻婆豆腐」に適した「豚ひき肉」は、少し粗めのもの〝粗挽き〟を使います。
炒め始めは「豚ひき肉」から出た水分で濁ります。この水分は臭みがありますので、これを飛ばすために「豚ひき肉」がパラパラになっても炒め続けます。
水分が飛んで油だけになりますと、ジューッという音から、パチパチという音に変化しますので、ここで火を止ます。

さらに調味料を加えますが、調味料を入れるときには必ず火を止めるようにします
「豆板醤」「甜麺醤/てんめんじゃん」を鍋に入れて混ぜてから、火を点けて弱火で、「豆板醤」と「甜麺醤」の香りを立たせます。
香りが立ったら再度火を消して「水」を加えます。
麻婆豆腐の場合、中華スープよりも水の方がストレートな味が出ます。

さらに「豆腐」を入れますが、「豆腐」から水分が出ますので、初めに「水」を入れすぎないことが大切です。
「水」を入れすぎてしまうと「豆腐」の味が薄まり、醤油などの調味料をその分多く入れることになり、調味料の味がたってしまって、全体の旨味が損なわれます。
鍋に「豆腐」を入れた際に、液面上から顔を出す程度の「水」加減とします。
このまま弱火で1分半から2分ほどゆっくり煮て「豆腐」の水分を出します。「豆腐」を「豆腐」自身が出した水分で煮ます。「豆腐」は絹ごしで柔らかいため崩さないようになるべく混ぜません。
混ぜる場合は、鍋を揺するかお玉の裏側で優しく混ぜるようにします。
液面が上がって「豆腐」が隠れてきたタイミングで味付けします。
調味料は、味見をしてみて足りない量の醤油を少しと、臭み消しの「酒」を加える程度です。
味を整えて、「豆腐」の角が丸くなってきましたら「水溶き片栗粉」を入れます。
「水溶き片栗粉」は、必ず火を止めてから入れます。火を点けたままですとダマになり、とろみがばらついてしまいます。
「水溶き片栗粉」を入れるときも、一気に入れるのではなく、鍋を揺すりながら、なるべく細かく入れるようにします。
「水溶き片栗粉」を入れてから火を点けて混ぜ合わせます。
とろみがついたところで「長ねぎ」「ニラ」のみじん切りを入れて「ラー油」を入れます。
「麻婆豆腐」は最後にしっかり焼くことが大事です。
ここで初めて強火にして、鍋肌が焦げるくらいにしっかりと焼きます。
30秒ほど焼いて表面に油が出てきましたら、器に盛ります。
盛り付けるときも、「豆腐」が崩れないように、お玉を使うのではなく鍋から器にそのまま注ぎ入れてください。
最後に「花椒(ほわじゃお)/四川の山椒」をかけるのが理想ですが、なければ日本の「山椒」でも構いません。

最後にしっかりと焼くことによって、まわりに油が浮き出た〈麻婆豆腐〉の完成です。

  材料〈2人から3人前〉

 材料

豚ひき肉  80g/絹ごし豆腐  1丁(300g)/長ネギ(みじん切り)  大さじ2/ニラ(みじん切り)  大さじ2

 〈調味料>

豆板醤  小さじ1/甜麺醤  大さじ2/酒  大さじ1/醤油  大さじ1・1/2/水  120㏄/水溶き片栗粉  大さじ2/ラー油  大さじ2/花椒(ほわじゃお)  少々

 

作り方

① ニラと長ネギをみじん切りにする。
② 絹ごし豆腐を1.5cm角に切る。水切りはしない。
③ 中華鍋を煙が出る位まで熱し、油をなじませる。
④ 中華鍋に豚ひき肉を入れ弱火で炒める。豚肉がほぐれたら温度を上げる。豚肉の水分が無くなりパチパチと音がしてきたら火を止める。
⑤ 中華鍋に水を入れ豆腐を加え、弱火で1分半~2分程煮る。酒、醤油を加え豆腐が崩れないように混ぜ火を止める。
⑥ 水溶き片栗粉を細く入れ火をつけてとろみをつける。
⑦ 長ネギ、ニラを加えラー油を足し、強火にして30秒程焼いて香ばしい香りをつける。
⑧ ⑦を器に盛り、花椒を好みでかけ完成。

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