カルシウム含有量は生大根を大幅に凌ぐ
立夏の次候_「蚯蚓出る/みみずいづる」この時候に「切り干し大根」をいただきます。
蚯蚓出る_5月10日から5月14日
蚯蚓出る_ミミズが土の中から出づる頃。ミミズは田を耕してくれる農家の助っ人です。
立夏の端午の節句には「菖蒲湯」に入るという習慣がありますが、これは邪気払いのため薬湯に入るという中国の風習が伝わったものです。
中国では「蘭の湯」に入るのですが、それが日本に伝わったあと室町時代初期あたりから「菖蒲」へと変化したようです。
これが、江戸時代には庶民の間にも浸透しました。
一茶に「湯上りに 尻にべったり しょうぶかな」という一句があります。
不埒な親爺は、御婦人のお尻であれば色っぽいことだなと想いを巡らせますが、実際は一茶の尻のようです。
切り干し大根_高血圧の予防・改善に
もともとは大根が長期保存のために干された日本古来の保存食で、凝縮した旨味と独特の風味、甘味を持つ。〝生干し〟〝茹で干し〟〝蒸し干し〟があり、生干し以外は色が濃厚である。
【保存方法】秋から冬にかけて天日干しするため、春頃になると黄色く変色することがある。黄ばんでなく白いもので、匂いのないもの。
【保存方法】変色は水で洗えば白く元に戻るが、冷蔵庫での保存がベストである。
【産地】宮崎県、愛知県など。
【栄養】水分がとんでいる分だけ、カリウムやカルシウム、鉄などの栄養素が飛躍的に多く。カリウムは血圧上昇の予防に効果があり、食物繊維の含有量も多く腸を掃除する働きがある。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より