1. アンチョビを効かせて

  2. クレソンを添えて

  3. フレンチで春野菜

  4. 野﨑洋光続 熱燗の肴

  5. 春中華

  6. 白菜使い

  7. 古賀純二のソース

  8. 基本の出汁野﨑洋光

  9. 雑煮 三題

  10. 江戸のおせち壱山﨑美香

  11. 江戸のおせち弐山﨑美香

  12. 濱崎泰輔マンマのトマトソース

  1. 霜止出苗 アンチョビ編

  2. 鴻雁北 蕨編

  3. 雀始巣 浅葱編

  4. 土脈潤起 鱵編

  5. 桃始笑 独活編

  6. 東風凍解 小松菜編

  7. 款冬華 カリフラワー編

  8. 芹乃栄 白子編

  9. 鱖魚群 青梗菜編

  10. 閉塞冬成 ローズマリー編

  11. 金盞香 水菜編

  12. 楓蔦黄 キャベツ編

  1. 料理人街

  2. 日本料理 Japanese

  3. フランス料理 French

  4. イタリア料理 Italian

  5. 中華料理 Chinese

  6. 韓国料理 Korean

  7. ベトナム料理 Vietnamese

赤いビタミン

雨水の初候_「土脈潤起/どみゃくうるおいおこる」この時候に「鱵・細魚/さより」をいただきます。

土脈潤起_2月19日から2月23日

土脈潤起_二月の雨が降り注ぎ。大地が潤い目覚め起き上がる頃です。

本来季節の72候は中国から渡ってきたものですが、いくつか日本で独自のものに変化しました。そのひとつが、この雨水の初候「土脈潤起」です。
中国から渡来した時この候は「獺魚祭/かわうそさかなをまつる」でした。
その出典は『礼記/月令編』の「東風解凍 蟄蟲始振 魚上冰 獺祭魚 鴻鴈來」から取られ、東風が吹く春先に獺(かわうそ)が魚を獲り始める候という意味だそうです。
中国では、カワウソが捕まえた魚をすぐに食べずに並べておくのを見て、「まるで先祖へのお供えのようだ」と思ったことから、旧暦のお正月を獺祭(だっさい)と呼ぶのだそうです。
動物は自分の食べるものしか捕らないといいますが、カワウソの場合、狩りには遊びの要素がかなり強く入っているようです。

呑んべいは、故安倍首相がロシアのプーチン大統領やアメリカのオバマ大統領(当時)に贈ったことで有名になった、山口県獺越の酒『獺祭』を思い浮かべるかも知れませんね。

鱵/さより_眼精疲労に効く

サヨリ科。全長40cmで、琉球列島や小笠原諸島を除く宮城県や新潟県以南の沿岸、内海・河口などに棲む。下顎が長く突き出た銀白色で細く美しい姿で白身が良い味の魚。〝春告げ魚〟のひとつで、江戸前の寿司の光りもの天ぷらに使われる高級魚。

【選び方】下顎の先端の紅色が鮮やかなものが新鮮。腹側が破れていなくて綺麗なものを。

【旬の時期】3月から5月が旬だが、秋も美味。

【産地】千葉県、茨城県、石川県、愛知県など

【栄養】脂質がとても少ない良質なタンパク源。野菜や果物には含まれない魚特有のビタミンB12が含まれる。血液を作る“造血作用”があるのが特徴で「赤いビタミン」とも呼ばれる。また末梢神経を構成する核酸やリン脂質を増加させる役割を持っており、神経を修復する作用もあることから眼精疲労や肩こり、神経痛の改善も期待でき、「末梢神経のビタミン」とも呼ばれる。

以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より