内臓は栄養の宝庫
小満の末候_「麦秋至/ばくしゅういたる」この時候に「鮎/あゆ」をいただきます。
麦秋至_5月31日から6月4日
麦秋至_麦畑にたわわな麦穂がなびく候、実りの頃は麦の秋と表現されます。
桃栗三年柿八年と言われますが、枇杷(びわ)は12年でやっと実をつけます。
ヘタがしっかりとして、果皮にハリのあるものが新鮮な枇杷です。
原産は中国ですが、酸味少なめでほんのり控えめで上品な甘さが日本人好みです。
日本での栽培は江戸中期ごろ南房総で始まり、それが江戸市中に出回ったようです。
また枇杷の木は「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」と呼ばれて薬効があることでも知られます。
美味しくて体にも良い枇杷、長く冷やすよりも2時間から3時間前に冷やす方が良いようです。
鮎_血中コレステロールの低下に効く
アユ科で、全長15cmから20cmの淡水魚。北海道南西部から九州までの浅い川に分布。川で生まれて海に下る稚魚は成長して、翌春川に戻り、秋に産卵して一生を終える。川に上る鮎が「登り鮎」、夏から秋に下流域の卵場へ下るのは「落ち鮎」と呼ばれる。棲む川によって香りが違うことから「香魚」との呼ばれる。
【選び方】目が透明で、エラの赤いものを、骨ごと食べられる15cmほどのものがおすすめ。
【旬の時期】天然の鮎は産卵前の7月から8月に脂が乗って美味。初秋の落ち鮎はコクがあり、4月頃から出回る養殖の鮎は脂肪が多く、香りが少なめ。
【漁獲地】天然物は栃木県、茨城県など。養殖では和歌山県、静岡県、徳島県など。
【栄養】養殖物は天然鮎の3倍の脂肪を持ち、ビタミンD・E、EPAを含む。内臓も栄養の宝庫でビタミンAやB群、ミネラルが豊富。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より