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フランス料理 髙橋雄二郎 料理の時候 冬の料理 新着レシピ

柚子のスフレ

「ル・スプートニク」
髙橋雄二郎

ふんわり口溶けなめらか。柚子を堪能できるデザート

口伝

柚子のスフレ

通常スフレと云いますとココット型で作りますが、今回はより香りを楽しむために、柚子釜でスフレを焼き上げていきます。

柚子釜を作る

「柚子」の頭の部分を落として、座りが良いように底も少し切ります。
「柚子」の果肉をスプーンで果汁と一緒にくり抜き釜を作ります。
果汁は後ほど使います。
釜の内側に固形の「バター」を塗り、その上に「グラニュー糖」をまぶしたら、すぐに冷蔵庫に入れます。
冷やさないでそのまま置いておきますと「バター」が溶けて「グラニュー糖」と一緒に底に落ちてしまいます。

柚子風味のカスタードクリームを作る

先ほどくり抜いた果肉を絞って、茶漉しなどで濾して作った「柚子ジュース」を鍋に入れて温めます。
ボウルに「卵黄」「グラニュー糖」を入れて白っぽくなるまで混ぜてから、「コーンスターチ」と「薄力粉」を加えてダマが出来ないように混ぜて「牛乳」を入れてさらに混ぜます。
ボウルに温めた「柚子」のジュースを入れ、混ぜたものを再び鍋に戻します。
卵と粉が入っていますので、このまま火を入れていくと、もったりとした「カスタードクリーム」になっていきます。
粉に火が入りますと粘り気が出てきますので、ここからさらに火を入れて〝粉っ気〟を飛ばします。
鍋肌が中火でよくアタリ(固まり)ますので、しっかりかき混ぜながら火を入れます。
「カスタードクリーム」にしっかり火が通り沸いてきましたら、火を止めてボウルに入れて粗熱をとります。
熱いうちに「サワークリーム」を入れますと分離してしまうので、よく熱を取るようにしてください。
粗熱が取れましたら、サワークリームを入れて混ぜ合わせれば「柚子風味のカスタードクリーム」の出来上がりです。

メレンゲをたてる

冷たい状態の「卵白」に少しの「塩」を入れてかき混ぜます。
こうすることによって、「卵白」がほぐれてきめ細かいメレンゲがたちやすくなります。
メレンゲのきめが粗いと生地が〝暴れて〟しまいますので、メレンゲはなるべく空気を含めせるようにして混ぜ、きめ細かく仕上げてください。
メレンゲがたってきましたら「グラニュー糖」を少しずつ入れます。
泡立て過ぎてしまうと「卵白」が分離してモソモソとしたメレンゲになってしまいますので、立てすぎには注意してください。
角が立つ少し手前の硬さまで混ぜれば出来上がりです。

スフレ生地を作る

なめらかな生地になるように「カスタードクリーム」を少し温めてから「メレンゲ」と混ぜ合わせます。
このとき潤滑材として「グランマルニエ(なければ白ワインで代用可)」を加えます。
弱火で「カスタードクリーム」をよくほぐします。
火を止めて「メレンゲ」と三回に分けて混ぜ合わせますが、まず最初に入れる「メレンゲ」は、よく混ぜ込んでしっかり泡を切ります。
こうすることによって、次に入れる「メレンゲ」がよく混ざり合います。
2回目の「メレンゲ」は、さっくりと混ぜます。3回目は、今度は鍋の生地をボウルに残った「メレンゲ」と、卵白が見えなくなるまでよく混ぜ合わせます。
少し流れるくらいの硬さまで混ぜ込めば「スフレ生地」の完成です。

スフレを焼く

冷蔵庫から取り出した「柚子釜」に、「柚子風味のスフレ生地」を絞り袋で流し込みます。
流し込んだ生地をならして、縁に着いた生地をとって綺麗に整えます。
175℃のオーブンに10分ほど入れて焼きます。
「生地を流し込んだ柚子釜」はこの状態で冷凍庫で保存することも可能ですが、その場合は火の入りが遅くなりますので、焼き時間を12分から13分にしてください。
焼き上がりましたら「粉糖」を振り、クリームチーズとフロマージュフランで作った「アイスクリーム」を乗せます。
最後に「柚子皮」を削って盛り付け完成です。

ふんわりとした食感と柚子の風味溢れる〈柚子のスフレ〉できました。

  材料〈4人前〉

 スフレ生地

柚子  4個/柚子の果汁  200ml/卵黄  60g/グラニュー糖  40g/薄力粉  15g/コーンスターチ  15g/牛乳  150ml/サワークリーム  45g/グランマルニエ  適宜(※1)

〈メレンゲ〉

卵白  100g/塩  ひとつまみ/グラニュー糖  40g

柚子釜/仕上げ

柚子釜用 バター  適宜/グラニュー糖  適宜

仕上げ 粉糖  適宜

※1. グランマルニエは1800年代後半にフランスで誕生したオレンジ・リキュール。アルコール度数は40度。 オーク樽で熟成させたコニャックにビターオレンジ(ハイチ産シトラス・ビガラディア種)の蒸留エキス分をブレンドしてじっくり熟成。気品溢れる芳醇な香りで、世界中の食通や料理人、菓子職人に支持されている。食後酒として飲まれるほか、カクテルやデザートにも活躍する。

作り方

① 柚子釜を作る。柚子の上部を横に切り落とし、底も少し落とす。中身をくりぬき、柚子釜の内側にバターを塗り、バターの上にグラニュー糖をまぶして冷蔵庫で冷やす。
② スフレ生地を作る。最初に柚子ジュースを使ったカスタードクリームを準備する。皮から取り出した柚子を絞り、茶こしなどでこしてから鍋に入れ、沸騰直前まで温める。
③ ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れて、白っぽくなるまでしっかりと混ぜる。振るった薄力粉、コーンスターチ、牛乳を加えてよく混ぜる。
④ 柚子果汁が沸いてきたら③のボウルに加え、まんべんなく混ぜる。
⑤ ④を鍋に戻して再び強火にかけ沸いたら中火にし、よく混ぜる。⑥ 火を止めたらすぐにボウルに移してあら熱を取る。熱が取れたらサワークリームを混ぜ合わせ、表面にぴったりとラップをかぶせて冷蔵庫で休ませる。
⑦ メレンゲを作る。よく冷えた卵白に、塩を加えてから泡立てる。グラニュー糖を7~8回に分けて加えてしっかり泡立てる。
⑧ ⑥を鍋に移し、グランマルニエ(※1)を加えて弱火で軽く加熱する。
⑨ ⑧にメレンゲを3回に分けて加える。3回目はメレンゲのボウルの方に入れしっかり混ぜ合わせる。
⑩ 柚子釜を冷蔵庫から取り出す。絞り袋に⑨のスフレ生地を入れ、柚子釜の中に絞り入れる。
⑪ 175℃に温めたオーブンに入れ、10~12分間焼く。取り出したら、自家製の「グラス・フロマージュ」(チーズのアイスクリーム)添え、表面に粉糖を振って完成。市販のバニラアイス、スフレだけでもよい。

◆中身をくりぬく時は、実を傷つけると果汁が出てしまうので、極力崩さぬよう(丸のまま)取り出すようにする。底を落とす際は、穴が空かないよう、あくまで皮の部分だけを薄く切るようにする。バターを塗ってそのまま常温に置いておくと、バターが溶けてグラニュー糖が下に流れてしまうので、すぐに冷蔵庫で冷やし固める。
◆卵黄とグラニュー糖をボウルに入れたらすぐに混ぜること。そうしないと、砂糖が卵黄の水分を吸って固くなり、ダマが残ってしまう。
◆温めた柚子ジュースをボウルに加える際は、同じ場所に一気に注ぐと卵が煮えてしまうので必ず混ぜながら加える。柚子ジュースを事前に温めておくことで、他の材料と素早くなめらかに混ざり、ダマもできにくい。またその後(火にかけてから)の作業効率も良い。
◆出来ればボウルの底を氷水にあて、短時間で熱を取る。熱いととサワークリームが分離するので、必ずあら熱を取ってから加える。
◎スフレは通常、ココット(少し高さのある円形の耐熱容器)で作ることが多いが、ここでは香りを楽しめるよう柚子釜を使用。見た目も華やかで、パーティなどにもお勧め。

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