「南青山エッセンス」
藪崎友宏
生のヤシオマスと香菜香るタルタルソース
口伝
やしお鱒と烏骨鶏ピータンのタルタルソース仕立て
私の店「エッセンス」では、中国料理とワインを合わせることが多いのですが、「やしお鱒と烏骨鶏ピータンのタルタルソース仕立て」は、その中で洋食で作られるタルタルソースを「ピータン」と「烏骨鶏」「香菜」「ザーサイ」「エシャロット」を使って中華風に作ったものです。
具材について
「やしお鱒※」は、栃木県で養殖されているニジマスの1種ですが、私は、奥日光・鬼怒川近郊でオーガニックで育てられた、餌にワインの搾りかすを混ぜて育てられたとてもクセのない鱒を使っています。
ご家庭で作られる場合は「刺身用のサーモン」で代用できます。
※やしお鱒とは、栃木県水産試験場で品種改良されたニジマスであり、肉の色が県花のヤシオツツジの花に似ている事から命名された。産卵期がないため肉質が劣化せず、1年を通して高品質を保てることができ、脂質もDHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸が主体で健康にも良い魚。(栃木県養殖漁業協同組合HPより)
「香菜」は、シャンツァイ・コリアンダー・パクチーとも呼ばれ、薬膳的には魚や肉の食べ過ぎによる体調不良を改善するとされ、日本料理で刺身にワサビや紫蘇や大根のツマをつけるのと同じように、中国料理や薬膳料理によく使われる食材です。
「エシャロット」は、玉ねぎよりも香りが良く、色合いも良いので、丸ごと揚げて使ったり、刻んでソースに入れることが多いです。
「ザーサイ」、洋食でタルタルソースを作る時には、ピクルスを入れたりしますが、中華風ですのでピクルスの代わりに「ザーサイ」を入れます。「ザーサイ」は、瓶詰めで市販されているもので結構です。
「ピータン」は、通常はアヒルの卵を粘土や籾殻、石灰、藁を混ぜ合わせた泥状のもので包んで、40日から60日寝かせてアルカリ発酵させたものを云いますが、本日は「烏骨鶏/うこっけい」という滋養強壮に良いといわれる鶏の卵を使います。味わいはそれほどに変わりませんが、アヒルで作ったもののような強烈な香りがすることがないので、普通の「ピータン」よりも使いやすいと思います。
中華風タルタルソースを作る
根っこを取り除いた「香菜」、芯と皮を取り除いた「エシャロット」、「ザーサイ」、殻を茹で卵の殻を剥く要領と同じように剥いた「烏骨鶏」を、それぞれ細かくみじん切りにします。
ボウルに「マヨネーズ」「塩」「胡椒」「レモン汁」「香菜のみじん切り」「ザーサイのみじん切り」「エシャロットのみじん切り」「ピータンのみじん切り」を入れて、偏りがないようによく混ぜ合わせれば「タルタルソース」の出来上がりです。
料理の仕上げ
「やしお鱒」をお好みの大きさに切り分けます。
私の店では大きめに切って、ナイフフォークで召し上がっていただいておりますが、ご家庭ではひと口大にカルパッチョのように召し上がっていただくのもよろしいかと思います。
器に盛ったベビーリーフなどのサラダの上に「やしお鱒」をのせ、タルタルソースをかければ「やしお鱒と烏骨鶏ピータン タルタルソース仕立て」の完成です。
材料〈8人前〉
材料 |
生食用ヤシオオマス(※1)1さく/ベビーリーフなど好みのサラダ 適量 |
〈A〉 |
烏骨鶏ピータン(※2)1/2個/パクチー 2ー3本/エシャロット(※3)10g/ザーサイ 10g/マヨネーズ 150g/レモン汁 1/8個分/塩 少々/胡椒 少々 |
※1.品種改良されたニジマスの一種。大型でほどよく脂がのっているのが特徴。
※2.アヒルの卵で作られる通常のピータンに比べて香りがマイルドなのが特徴。
※3.西洋玉ねぎの1種でベルギーエシャロットとも呼ばれる。
作り方
① <タルタルソース>を作る。<A>の材料をすべて細かくみじん切りにする。残りの材料と切った<A>を混ぜ合わせる。
② 器にサラダとヤシオマスを盛り付ける。
③ ①をたっぷりのせて完成。
◆ヤシオマスは刺身用のサーモンで代用可
◆烏骨鶏のピータンは通常のピータンでも良い
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