韓国みそのチゲ
口伝
テンジャンチゲ(韓国みそのチゲ)
「チゲ」というと皆様「鍋」と想像するかもしれませんが、「テンジャンチゲ」というのは韓国語では「具だくさん味噌汁」というイメージです。
「テンジャン」は「味噌」で「テンジャンチゲ」は味噌で色々な具材を使った汁物ということになります。
韓国の鍋料理というのは「チョンゴル」と呼ばれます。
「〇〇チョンゴル」という名前でしたら、日本料理と同じように必ず鍋のまま出てきて食べるものになります。
「チゲ」は非常に範囲が広いので、よそって出されることもありますし、鍋ごと出されることもあるわけです。
よく「テンジャンチゲ」に使われますのは「トゥッペギ」という素焼きの器です。
「トゥッペギ」にも色々な種類の大きさものがあり、この器で直接炒めたり調理して出されることもあります。
本日は鍋で仕込みをして「トゥッペギ」で仕上げをしたいと思います。
韓国の味噌「テンジャン」には日本と同じように、味の濃いものさっぱりとしたもの、色の濃いもの薄いものと様々な種類がありますが、韓国では色々な種類のものが売られています。
好みの「テンジャン」を手に入れるようにしてください。
日本の味噌は最後に入れて香りが消えないようにしますが、韓国の大豆味噌は煮立てたほうが美味しくなりますので、しっかり火が入るように作ってください。
材料の下処理
先ほど申し上げたように「具だくさん味噌汁」ですから、色々な具が入るのですが、本日は「あさり」「しいたけ」「豆腐」「エホバッ(朝鮮かぼちゃ)」「牛肉」「赤唐辛子(ホンゴッチュ)」「青唐辛子(プコッチュ)」「小ねぎ」を用意しました。
「赤唐辛」と「青唐辛子」があれば爽やかな味になります。
「エホバッ(朝鮮かぼちゃ)」はなければ「ズッキーニ」でも構いませんが、ヘタを落として5mm厚さの半月切りにします。
「テンジャンチゲ」はスプーンで食べますので、具材はスプーンに乗る大きさを目安に切るようにします。
「エホバッ」を切りましたらくっ付かないように1枚ずつバラバラにしておきます。
「赤唐辛子」と「青唐辛子」は斜め薄切りにして、辛さをお好みで調整して入れるようにします。
ヤンニョムと和える
ボウルに「醤油」「おろしにんにく」「酒」「すりごま」を入れて混ぜ合わせて「ヤンニョム」を作ります。
切り落としの「牛肉」はあまり細かく切らずにザクザクと切りボウルに入れます。
「牛肉」を細かく切りますが「ひき肉」を使うと全然味が変わってしまいますので使わないでください。
「ヤンニョム」と「牛肉」を手で和えます。
スープを作る
鍋に「ごま油」をひいて熱し、「ヤンニョムと和えた牛肉」を炒めます。
「牛肉」を炒めることで「牛肉」が出汁にも具にもなります。
完全に「牛肉」に火が通る前に「水」を注いで強火にします。
「スープ」が沸きましたらアクを取りますが、大きなアクが小さなアクを吸い取りますので、充分アクが出てきたところで火加減を調節しながら取り除きます。
「テンジャン」を少量の「スープ」で溶きのばして鍋に加えます。
チゲを作る
「トゥッペギ」に鍋の「スープ」を入れて強火にかけます。
2cm角に切った「豆腐」、3mm厚に切った「しいたけ」、「エホバッ」を加え「赤唐辛子」「青唐辛子」を加えてから蓋をして中火にしてから煮込みます。
「スープ」が沸いてきましたら、最後に「あさり」を入れて再度蓋をして煮込みます。
「あさり」の口が開きましたら、斜め切りにした「小ねぎ」を加えて一煮立ちさせます。
「赤唐辛子」や「あさり」などが見えるように具の位置を調整して出来上がりです。
ちょうど良い頃合いを見て熱々を召し上がってください〈テンジャンチゲ〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
牛切り落とし肉 100g/あさり 12個/生しいたけ 2枚/エホバッ(朝鮮かぼちゃ※1) 1/4本/豆腐(木綿) 1丁/小ねぎ 2~3本/赤・青とうがらし(あれば生) 各1本/水 約4カップ/ごま油 小さじ1/テンジャン(韓国味噌) 約100g |
〈牛肉下味〉 |
しょうゆ 小さじ2/すりごま 小さじ2/酒 小さじ1/おろしにんにく 少々 |
※1_エホバッはズッキ-ニでも代用可
【下準備】
・ あさりは砂抜きし、きれいに洗っておく。
・ しいたけは3mmの細切り、エホバッ(朝鮮かぼちゃ)は5㎜厚の半月切り、豆腐は2cmの角切り、小ねぎ、赤・青とうがらしは3mm幅の斜め切りにする。
・ 牛肉は食べやすい大きさに切り<A>で和える。
① 鍋にごま油をひいて【下準備】③の牛肉を炒める。肉の色が変わったら分量の水を注いで強火で煮る。
② 沸騰したら火を弱めてアクを取り、少量の煮汁で溶きのばしたテンジャンを入れる。
③ ②にしいたけ、エホバッ(朝鮮かぼちゃ)、豆腐を加えてふたをし、沸いてきたら火を弱めて2~3分煮る。(ここで味を確かめ、薄ければテンジャンを足す。)
④ ③にあさりを加え更にフタをし、あさりの口があいたら、小ねぎを加えてひと煮立ちさせる。
◆調味料は味を見て加減する。
◆あしらうものは、あぶったもみ海苔、錦糸卵もおすすめ。
◆煮ているときは弱火で煮ると汁が濁らず、肉固もくなりにくい。沸騰しすぎて汁が濁ったら水を100ml位足すとよい。
◆生しいたけ1枚分だけ干ししいたけにしても良い。
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