1. 胡麻の味Ⅱ

  2. もち米変化

  3. 胡麻の味

  4. 鮭の味わい

  5. トレビスを添えてイタリアン濱崎泰輔

  6. 海苔の香を楽しむ一皿

  7. きのこの味覚えのきたけ

  8. みかんがアクセント

  9. 花を散らす

  10. 葡萄の味

  11. 蕪を味わう

  12. 和でない大葉

  1. 水沢腹堅 金柑編

  2. 雪下麦出 糯(もち)米編

  3. 麋角解 胡麻編

  4. 橘始黄 鮭編

  5. 虹蔵不見 トレビス編

  6. 蟋蟀戸在 温州蜜柑編

  7. 山茶始開 海苔編

  8. 鴻雁来 榎茸編

  9. 雷乃声収 食用菊編

  10. 草露白 葡萄編

  11. 綿柎開 酢橘編

  12. 大雨時行 糸瓜編

  1. 料理人街

  2. 日本料理 Japanese

  3. フランス料理 French

  4. イタリア料理 Italian

  5. 中華料理 Chinese

  6. 韓国料理 Korean

  7. ベトナム料理 Vietnamese

フランス料理 古賀純二 料理の時候 通年料理 新着レシピ

豚肉のカツレツ ゴボウソース

「シェ・ イノ」
古賀純二

肉料理にも魚料理にも合う
マデラ酒をたっぷり使ったゴボウのソース

口伝

豚肉のカツレツ ゴボウソース

「ゴボウのビュレ」を作って「とんかつ」に合わせると云う料理を作っていきたいと思います。
フランスのカツレツではなく、「日本のとんかつ」を作ります。
フランスにもサルシフィと呼ばれるゴボウがありますが、日本のゴボウと違いアクが少なく水っぽくサラダ仕立てで使ったりします。本日は「日本のゴボウ」を使います。
サルシフィSalsifis_キク科の2年草の野菜、西洋ゴボウ、波羅門参(ばらもんじん)とも呼ばれる。軽い苦味を楽しむ。

ゴボウピュレを作る

店ではエシャロットを使いますが、本日は「玉ねぎ」を使います。
まず「玉ねぎ」を薄切りにして、「バター」を溶かした鍋で炒めます。

私の料理にはバターをよく使います。健康的なことでいうと脂質というのは大量に取りますと健康には良くないですが、適度な脂質を摂取することはパワーの源になると思います。
摂り方を間違わなければ一定のバター、脂質を料理で摂ることは良いことだと思っています。

鍋に「塩」を加えて強めに炒めます。炒めながら「ゴボウ」を切ります。
「ゴボウ」は風味を生かすために皮付きのまま約1cm幅に切ります。

今回は、この「ゴボウ」に「マデラ酒」を使いますが、この相性の良さを知っていただくため、表現するためにピュレを作ります。
またこのピュレが肉・魚問わずに相性が良いことを知っていただきたいと思います。

「ゴボウ」を小さく切れば早く火は通りますが、あえて大きめに切ることで「ゴボウ」の風味を残したいと思います。ある程度「玉ねぎ」が柔らかくなりましたら、カットした「ゴボウ」を入れます。
「ゴボウ」の風味が出てきたところで「マデラ酒」を入れます。
マデラ酒は、ポルト酒やシェリー酒と同じ世界三大酒精強化ワインのひとつです。
マデラ酒Madere_モロッコ沖にあるポルトガル領マデイラ島産の酒精強化ワイン。フランスでは料理、特にソースに使われることが多いが、食前酒やデザートワインとしても適している。

『シェ・イノ』の料理には甘味の強いソースが多いのですが、マデラ酒やポルト酒を使って甘味の核としています。
強火の火加減で「マデラ酒」のアルコールをしっかり飛ばします。
最初の段階でしっかりとアルコールを飛ばさないと、あとの料理の味に影響があります。
アルコールがしっかりと飛びましたら「ブイヨン」と同量の「水」を入れます。
ご家庭では薄めの「ブイヨン」を用意されてもよろしいかもしれません。
紙の蓋をして沸いたら弱火にして30分間煮ます。

「ゴボウ」のアクが気になるかもしれませんが、この「ゴボウ」のアクの香りは味の一部になりますのでそのまま全部使います。

30分経って「ゴボウ」を食べてみてスッと歯が入れば煮上がった証拠です。

鍋の中身をミキサーにかけて攪拌し「ピュレ」にします。
「ピュレ」は裏ごしせずに「ゴボウ」の食感を楽しむようにします。

とんかつを作る

脂身と赤身の境にある筋に数カ所切り込みを入れます。
「塩」「こしょう」をします。
「小麦粉」「溶き卵」「生パン粉」を付けますが、「生パン粉」は二度付けします。
160度の油で揚げます(菜箸の先から細かい泡が出る程度が目安です)。
上げ時間は片面3分、裏返して2分の計5分です。
低温の油でゆっくり蒸し焼きにするイメージです。
最後に火加減を一瞬高温にすることで、衣がカリッと揚がります。


8割から9割火が通っている状態で油から上げて、残りは余熱で火を入れます。

盛り付け

「ゴボウピュレ」の一部を鍋に入れて再度温めますが、このとき少量の「バター」を加えます。
また「バター」かと思われるかもしれませんが、この「バター」が大事なポイントです
フランスでは肉にじゃがいも のピュレをたっぷり付けて食べますが、そのゴボウバージョンと思っていただければ結構です。

このピュレは、「ゴボウ」と「マデラ酒」の相性、あらゆる食材との相性をお楽しみいただくものです。

皿にたっぷりの「ゴボウのピュレ」をしき、ひと口大に切った「とんかつ」を乗せて、付け合わせに「クレソンのサラダ/塩・こしょう・レモン汁・オリーブオイルで和えたもの」を添えて、「とんかつ」の上にも「ゴボウピュレ」を乗せ、「バルサミコ」を5分の1まで煮詰めたものを味のアクセントとして皿に加えます。
仕上げに「粒こしょう」を散らして出来上がりです。

〈豚のカツレツ ゴボウソース〉完成です。

  材料作りやすい分量

 ゴボウソース

ゴボウ 3本/玉ねぎ 大1/2個/バター(無塩) 150g/塩 ひとつまみ(※有塩バター時は不要)/マデラ酒 150cc/ブイヨン 200cc/水 200cc/バター(仕上げ用) 少々

豚肉のカツレツ

豚ロース 100g_1枚×人数分/塩 少々/黒こしょう 少々
[ころも] 
小麦粉 適量/溶き卵 適量/生パン粉 適量

揚げ油 適量

クレソンのサラダ

クレソン 適量
(A) 塩 少々/黒こしょう 少々/レモン汁 お好み/オリーブ油 適量

仕上げ

バルサミコソ-ス 適量/塩漬け黒コショウ 適量

 

作り方

<ゴボウソース>
① 鍋にバタ-を溶かし、スライスした玉ねぎを入れ、ひとつまみの塩をして、弱火でゆっくり甘みが出るまで炒める。
② ゴボウはたわしでよく洗い、1cm弱の小口切りにし、①の鍋に入れ、5~10分ごぼうの風味がでるまで炒める。
③ ②にマデラ酒を注ぎアルコ-ルが飛んだら、ブイヨンと水を入れ、落とし蓋をして30分程煮込む。(途中、水分がなくなりそうな場合、随時、水を足す。)
④ ミキサ-でピュレにし、塩で味をととのえる。(まわりにくい時は水をたす)

<豚のカツレツ>
① 豚ロ-スを筋切りし、塩コショウで下味をつける。小麦粉をつけ、余分な粉を落とし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶす。
② フライパンに、カツがかぶる程度のサラダ油を入れ、160度の低温で、5分程ゆっくりあげる。

<盛り付け>
① クレソンのサラダは(A)であえて仕上げる。
② ゴボウソ-スは、鍋で温め直し、少量のバタ-で香り、コクをつける。
③ 皿にゴボウソースをしき、カットしたカツレツを乗せ、その上にもソースを少しのせる。クレソンのサラダ、バルサミコソース(1/5まで煮詰めたもの)、黒こしょうの塩漬けを添える。

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