「シェ・ イノ」
古賀純二
マッシュルームと玉ねぎのうま味がギュッとつまった万能調味料!
口伝
デュクセル
「シャンピニオン(=マッシュルーム)デュクセル※」を作ります。
※デュクセル duxelles_きのこ、エシャロットなどのみじん切りをソテーしたもの、詰め物やソースに用いる、17世紀にマルタ総督のユクセル侯爵/marquis d’Dxelles の料理人ラ・ヴァレーヌが考案したのもので、主人の名を冠したと云われる。
細かく刻んだエシャロットとマッシュルームを、バターでゆっくり水分を飛ばしながら炒めて作る、調味料的な役割を果たす料理です。
今回はエシャロットの代わりに「玉ねぎ」を使って作ります。
「玉ねぎ」と「マッシュルーム」を粗みじん切りして、それぞれの食感を楽しんでいただくようなイメージで作ります。
調理する
粗みじん切りした「玉ねぎ」を弱火で炒めますが、本来はバターを使うところを、軽くヘルシーに「オリーブオイル」を使います。
「玉ねぎ」を最初に炒めますのは、「玉ねぎ」自体の水分をしっかり飛ばしてから「マッシュルーム」を入れるようにするためです。
「マッシュルール」から出た水分で、「玉ねぎ」を煮てしまうような状況を避けるためです。
火加減は弱火のままたまに、鍋を回して「玉ねぎ」を揺らすようにします。
「マッシュルーム」を「玉ねぎ」と同じ大きさにカットします。
まず「マッシュルーム」を立てて2本切り込みます、次に寝かせて切り込みを入れてから、縦に切り5mm角のみじん切りにします。
細かいみじん切りにする場合はフードプロセッサーを使いますが、粗みじん切りの場合は包丁を使います。
粗みじん切りの場合は、手で形を揃えて切らないと、炒まり方が違ってきますので、均一になるようにします。
エシャロット/玉ねぎは、水分が多くフードプロセッサーを使うと水が出てきますので、必ず包丁でカットします。
鍋(フッ素加工のフライパン)の「玉ねぎ」は弱火よりも少し強めの火加減で炒め続けて、水分が飛びほんのり焼き色がついた状態になりましたら、粗みじん切りにした「マッシュルーム」を入れ火加減を中火にします。
ここではまだ「塩」を入れません。
「塩」を入れると一気に水が出てしまうからです。
「塩」はよく炒めて水分をしっかり飛ばしてから入れるようにします。
「シャンピニオン(マッシュルーム)」の旨味と、「玉ねぎ」の甘み、コクを引き出すために炒めますので、味のバランスをみながら、甘みが欲しければ「玉ねぎ」の量を増やしたりして調整します。
そして使う調味料は「塩」のみです。
鍋から湯気が出てきたら弱火にします。
ここからゆっくり水分を飛ばします。
水分を飛ばすというのは、旨味を凝縮させるという理由もあります。
この「デュクセル」ですが、お店〝シェイノ〟の看板料理に「マリア・カラス(=子羊のパイ包み焼き)」あり、その詰め物の一つに使ったり、魚介類やリードヴォー(ris de veau)などの色々なグラタンの旨味を補足するなど、さまざまな料理に使っています。
常備しておくと、色々な使い方ができますので、多めに作りラップに小分けにして冷凍保存されるのを、おすすめします。
ある程度水分が飛んで、良い香りがしてきましたら、ここで初めて「塩」をします。
「塩」を入れましたら、最終段階に入ります。鍋を動かさずに焼き色をつけたところで、鍋を動かして別の部分に焼き色をつけるようにします。
ポイントは、フライパンの中の食材を常に平らにするということです。
表面が乾いた感じになり、きつね色になりましたら「デュクセル」の出来上がりです。
炒めた「デュクセル」は、早く冷めるように、ゴムベラなどで平らにしてから溝を作り、空気に触れる部分を多くします。
材料〈作りやすい分量〉
材料 |
玉ねぎ 1個/マッシュルーム 2パック(100g程)/オリーブオイル 大さじ2/塩 適量 |
作り方
① フライパンにオリーブオイルをひき、弱火で玉葱(5mm角の粗みじん)をゆっくりと水分が無くなるまで炒める。
② マッシュルーム(5mm角の粗みじん)を①に入れ中火で水分が無くなるまで炒める。
③ 塩をする。
④ 全体的に水分が無くなり、表面が乾いた感じになり、きつね色になったら完成。
◆本来エシャロット、バターを使用するが、玉ねぎ、オリーブオイルに変えてヘルシーな仕上がりに。
◆玉ねぎを炒めて水分を飛ばしてから、マッシュルームを炒める。
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