複合の味
韓国料理は薬食同源にあり
韓国料理というと大体の方は「辛い」とか「焼肉」「キムチ」というイメージがあると思うんですけれども、実は韓国料理は辛いものだけではありません。
朝鮮半島は縦に長い半島ですから、北から南の端まで郷土料理があり、味がそれぞれ違いますし、どちらかというと「辛くないもの」の方が多いんですね。
韓国料理の特徴はなんと言われているか、それは〈複合の味〉です。
そして〈ヤンニョムの味〉〈薬食同源の味〉と言われます。
どういうことかと言いますと韓国料理は色々な「薬味調味料」「香辛料」を複合させて味を作り出しますし、この複合させた味が韓国料理の一番の特徴だと言われています。
薬念
薬に念じるで「薬念/ヤンニョム」
〈ヤンニョム〉は薬に念じる「薬念」と書きます。 そして一番大事な〈ヤンニョム/薬念〉は塩〈薬塩〉です。
人が生きていく上で一番大事なものが塩なので「塩」が基本となり進んでいくわけですけれども、一般的に〈ヤンニョム/薬念〉と言いますと、「醤油・味噌・唐辛子コチジャン・生姜・ネギ・胡椒・辛子__」など普段皆さんが使っているような、「調味料」「薬味」「香辛料」そういうものを全部ひっくるめたものです。
その〈ヤンニョム/薬念〉を一つ一つ単独で使うんではないんですね。 醤油なら「醤油味」などと、ただかけるというものではないんです。
お刺身でも〈チョコチュジャン〉と言いまして〈コチジャン/唐辛子味噌〉に「ニンニク・胡麻・お酢」など色々なものをを溶いて複合させたタレ〈チョコチュジャン〉を作って、それをつけて新鮮な魚介をお刺身で食べるんですね。
ナムルにしても、ほうれん草を茹でて塩や醤油で食べるとかではないんですね。茹でたほうれん草に「ごま油・にんにく・すりごま・時にはネギ」も入れて、そんな風にして塩味で和えたりするんですね。ですから小さな野菜料理も、それから鍋物も、メインになる料理も含めて全部いろんな〈ヤンニョム/薬念〉を家庭でお母さんたちが工夫して絶妙にブレンドして作り上げる。
そんな〈複合の味〉が韓国料理の一番の特徴と言われています。
辛味
地域によって異なる辛味
韓国の南の地域というのは、「辛味」の地域で辛いものがどうしても多いですね。
北に行けばいくほどさっぱりしてスープの色も薄くて、塩味も薄くなります。
気候風土にも関わっています。韓国の夏は日本よりも暑いくらいなんですけれども、暑い地域ではキムチも塩味を強くしなければならない「塩っぱく」しないと腐ってしまいます。
それから「塩辛類」をたっぷりと使います。塩気が多いから魚介類などをたっぷりと入れたキムチが作れるんですね。
キムチひとつみても、「北の白キムチ/ペッキムチ」に対し「南の赤いキムチ/ナムルキムチ」これは辛いキムチと、特徴がはっきり言えるほど韓国料理は幅が広いのです。
ですから焼肉屋さんで韓国料理を知ると思いますけれども、あれはほんの一部なんです。私たち韓国のお母さんが家庭で作っている韓国料理というのは、季節感があり野菜がたっぷり、そして発酵食品のキムチがあって、肉も野菜も魚も大体ほとんど日本と同じようなものを食べます。
常備菜
韓国料理の特徴「常備菜」
主食のご飯にスープがあり、キムチがあって、そして豪勢な日は焼肉だったり焼魚だったりいろんなメインの料理があり、そのほかに〈常備菜〉があります。
この〈常備菜〉も韓国料理のひとつの大きな特徴ですね。
これは作り置きができるもの、最近日本でも「作り置き料理」が流行っていますけれども、朝鮮半島には昔から作り置きのオカズがたくさんあります。例えば「じゃこを炒めてよく煮たもの」とか「野菜の煮物・醤油漬け・味噌漬け」などありとあらゆる常備菜が作られます。
お豆を煮たものもあります。よく日本料理のアレンジですかなんて聞かれますけれども、シンプルに豆を煮た〈常備菜〉もあります。皆さんがびっくりするような多種多彩な料理が韓国にはございます。
キョンファ塾を通して、みなさんの知らない「健康に良い韓国料理」を発信して行けたら楽しいなと思っています。