蕗の薹で冬の胃を活性化
立春の初候_「東風解凍/はるかぜこおりをとかす」 この時候の旬菜「蕗の薹/ふきのとう」をいただきます。
東風解凍_2月4日から2月8日
「トウのたった〇〇」という表現をしますが、この〝トウ〟には「蕗の薹」の「薹」の字を当てるそうです。
ほんの短い期間の旬のものが終わってしまう様を云いますが、本来若い女性の旬(輝く時期)に対して使うものだそうです。
蕗の薹は、酷寒の季節に地中で力を蓄え、雪を掻き分けて頭を出す山菜です。
その生命力溢れる瑞々さと清々しさが、若い女性に例えられるのでしょう。
これが味噌と和られて「ふき味噌」となると、経験を経た味わい深い大人の女性の趣となります。
この「ふき味噌」をちびちび舐めながら熱燗をいただくのが、大人の男の嗜みです。
蕗の薹/ふきのとう_苦味健胃薬/くみけんいやく
キク科の蕗のつぼみ。うろこ状の葉に幾重にも包まれている。固く締まったものを食用とする。天然物と栽培物があり、寒い地方の雪を破って出てくる蕗の薹は香りが強い。胃の運動を高め、胃の分泌物を促進するため、民間療法で「苦味健胃薬」として胃もたれの回復などに使われる。
【選び方】かたちに丸みがあり、緑色の鮮やかなもの。固く締まって開ききっていないもの。
【旬の時期】2月から3月の早春。
【産地】全国的に分布するが、福島県、群馬県、新潟県、北海道など。
【保存方法】乾燥に弱いため、水で湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室へ、2日から3日はもつが早く食べるのが基本。
【栄養】蕗本体よりも栄養素が高く。βカロテン、カリウム、食物繊維、ビタミンEが豊富である。女性に多い貧血や便秘などの症状改善に効く。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
ふきのとうのほろ苦さが春を感じさせる万能合わせみそです。
XO醤を加え、ご飯、生野菜、温野菜、焼いたお肉、蒸し鶏、ピータンなどとともに幅広く楽しめます。
中華料理「よだれ鷄」
飯田徹也 シェフ「中華風ふき味噌」