「よだれ鷄」
飯田徹也
ふきのとうのほろ苦さが春を感じさせる万能合わせみそ
口伝
中華風ふきみそ
「ふきみそ醬」を作ります。
日本料理でおなじみの「ふきみそ」を中華風にアレンジしたいと思います。
春の香りを感じるほろ苦い山菜で、季節のものを摂ると体に良いので是非作ってみてください。
材料は「ふきのとう」に「にんにく」「エシャロット」「パクチーの茎(苦手な方は省いても大丈夫です)」のみじん切り、「白味噌」「仙台味噌」、豆腐を紅麹で発酵させた調味料「紅南乳(無ければ省いても大丈夫です)」、「塩」「砂糖」「日本酒」「XO醬」です。
ふきみそを作る
「ふきのとう」の香りを馴染ませたいので、油は「太白胡麻油」を使います。
※太白胡麻油_ごまを煎らずに生のまま圧搾した無色透明の油
中火から弱火でじっくりと「太白胡麻油」に香りを移します。
まず「にんにく」を入れて香りが出てきましたら「エシャロット」を入れます。
弱火でじっくりと炒めますが、火の通りが均一になるように、また鍋下に当たって焦げないように、絶えず混ぜ合わせて下さい。
「エシャロット」がきつね色になりましたら「パクチーの茎」を入れ、香りが立ってきましたら「白味噌」「仙台味噌」を入れます。
「味噌」を入れますと、さらに焦げやすくなりますので、火加減を弱くします。
「味噌」に油が馴染み香りが出てきましたら、コク出しのために「紅南乳」を入れ、軽く混ぜて一旦火を止めます。
水洗いをして綺麗にした「ふきのとう」をフードプロセッサーで刻みますが、荒く食感が残る程度にします。
※ふきのとうの苦みが苦手な方は、1分半ほど茹でて水気を取ったものをお使いください。
「ふきのとう」はアクの強い山菜なので、時間を置くとすぐに茶色くなってしまいますので、なるべく直前に刻んでから混ぜるようにしますと、仕上がりが綺麗になります。
刻んだ「ふきのとう」を鍋に入れて、さらに弱火で炒めます。
全体に「ふきのとう」が馴染みましたら、「塩」「砂糖」を加えます。
焦げやすい材料が多いのと、弱火の方が香りが強く上がりやすいので、ゆっくり焦らず炒めるようにして下さい。
「砂糖」が溶けましたら「日本酒」を入れます。
「日本酒」のアルコールが飛びましたら「XO醬」を入れますが、「XO醬」にはもともと火が通っていますので混ぜ合わせるイメージで結構です。
軽く混ぜ合わせれば完成です。
ふきのとうのほろ苦さとXO醬の旨みが効いた〈中華風ふきみそ〉お好みのお野菜、牛肉と一緒にお召し上がりください。
材料〈4人分〉
材料 |
太白ごま油 100ml/にんにく 25g/エシャロット 50g/パクチーの茎 20g/白みそ 70g/仙台みそ 110g/紅南乳(※1) 30g/ふきのとう 1パック(8個)/塩 6g/グラニュー糖 45g/日本酒 40g/XO醤 100g |
※1 紅南乳はなくてもかまいません
作り方
【下準備】
・にんにく、エシャロット、パクチーの茎はみじん切りにする。
作り方
① 中華鍋(またはフライパン)を弱めの中火で熱し、にんにくを入れて香りが出るまで炒める。エシャロットを加えてキツネ色になるまでじっくりと炒めたら、パクチーを加えてさっと炒める。
② ①に白みそ、仙台みそを加えてよく混ぜながら炒める。油が全体に回ったら紅南乳を入れ、さっと炒めて火を止める。
③ 水洗いして水気をきったふきのとうをフードプロセッサーに入れる。粗みじん切りの状態になるまで攪拌し、すぐに②の中華鍋に加える。
④ ③を弱火で炒め、全体が混ざったら塩とグラニュー糖を加え、グラニュー砂糖が溶けたら酒を加える。アルコールが飛んだらXO醤を加え、ざっと混ぜ合わせて火を止める。
◆ふきのとうは切ると変色しやすいので、炒める直前にフードプロセッサーにかける。
◆ふきのとうの苦味を抑えたい場合は、1分半ほどゆでてから使用する。
※1. 太白胡麻油はごまを煎らずに生のまま圧搾した無色透明の油で、サラダ油よりも酸化しにくい。一般的な焙煎したごま油の香りやクセがなく、 ごまの旨みが凝縮されている。
※2.紅南乳は塩漬けにした豆腐を紅麹などに漬けて発酵・熟成させた調味料。コクが出るので肉料理の下味や隠し味などに使用する。沖縄の豆腐ようのルーツともされる。
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