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中華料理 料理の時候 藪崎友宏 冬の料理 新着レシピ

冬の薬膳スープ

「南青山エッセンス」
藪崎友宏

身近な食材でできる「腎を補い体を温める」薬膳スープ

口伝

冬の薬膳スープ

薬膳スープと云いますと、難しい薬膳食材や漢方薬を入れるようなイメージがありますが、身近なものでもその季節にあった食材というものがあります。
冬は、薬膳では五臓六腑の「腎」の季節、「腎」の機能を補うことが大切だと云われています。
本日は「腎」に良いと云われている食材と、体を温める食材とで薬膳スープを作ります。
「腎」というのは「腎臓」が大元ではありますが、西洋医学的に「腎臓」のみを指すのではなくて、「腎」と「腎に連なる経絡/膀胱・骨・耳」の「腎のグループ」全体を補うことが大切となります
また、薬膳では冬に「黒い食材」を食べると体に良いとされます。
本日も「しいたけ」「きくらげ」「黒豆」「ごぼう」といった黒い食材を用意しています。

具材の処理

「ごぼう」はよく洗って皮付きのまま乱切りにします。乱切りというのは食材を手で回しながら、ひと口大の三角形になるように切ります。
煮崩れしやすい「蕪」はよく洗ってから皮付きのまま乱切りにします。
「蕪」というのは、なかなか素晴らしい野菜と云われていまして、葉や根を食べても美味しく、体を温めて五臓六腑の五臓すべてを補うと云われています。
美味しく体にも良いので『三国志』で有名な「諸葛孔明」が、貧しい農村などに「蕪」の種を与えて栽培させたとされ、中国では「諸葛菜」という別名も付いているそうです。

一晩水につけて戻した「干ししいたけ」の石づきを取って、ひと口大に切ります。「しいたけ」は、出汁も出ますし、黒い冬に良い食材ですのでお薦めです。「きくらげ」も一晩水に浸けて戻したものの硬い部分を取り除いて、ひと口大にちぎります。
「黒豆」は、「黒酢/こくず」と呼ばれる漢方薬でもあり、これも使います。「干し貝柱」を軽く洗っておきます。
よく洗った「生姜」はスープを煮込んだ後に取り出しますので、取り出しやすいように皮付きのまま大きめのスライスにします。
「豚の肩ロース」は、これもひと口大に切り分けます。「豚肉」も「腎」に良いと云われていますし、気力を高めたり、体に潤いを与えたりする効能があります。
切り分けた「豚肉」を熱湯で下茹でし、アクを取り余分な油を除きます。

スープを煮る

「豚肉」は、指で押さえて血が出ない程度に茹でましたら、取り出して、別の鍋の熱湯した湯に入れます。
さらに切った「しいたけ」「きくらげ」「ごぼう」「生姜」「蕪」「黒豆」「干し貝柱」を入れて強火で2時間ほど煮出します。
「干し貝柱」を入れますとスープに旨味が出ます。
2時間煮込みましたら火を弱火にして、「塩」「こしょう」で味を整えます。
「蕪」が潰れやすいので、なるべくお玉や箸でかき回さないように注意してください。
最後に「生姜」を取り出して、器に盛り付けて完成です。

腎を補い体を温める〈冬の薬膳スープ〉でございます。

  材料〈8人前〉

 材料

豚肩ロース肉  200 g/かぶ  2個/ごぼう  1本/きくらげ  40g/干ししいたけ  4個/干し貝柱  20g/黒豆  30g/しょうが  50g/水  1.5 L/塩  5g/こしょう  少々

 

作り方

【下準備】
・きくらげ、干ししいたけは一晩水にもどしておく
・干し貝柱はさっと洗っておく
① ごぼうは軽く洗って乱切りにする。かぶ、しいたけ、豚肉は一口大に切る。かぶは茎を少し残して皮つきのまま、しいたけは石突を除いておく。きくらげは、かたい部分を除いて一口大にちぎる。しょうがはよく洗って皮ごと厚めにスライスする。
② 豚肉を一口大に切り、熱湯で下ゆでし、アクや余分な脂を落とす。豚肉を指で押して血が出てこなければ、ザルにあげる。
③ 別の鍋に湯を沸かし、②を入れる。①で切ったごぼう、かぶ、しょうが、干ししいたけ、きくらげを入れる。黒豆、干し貝柱も一緒に入れて強火で2時間ほど煮出す。
④ ③を弱火にして塩、こしょうで味を調える。
⑤ しょうがを取り出し、器に盛りつけて完成。

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