「銀座あさみ」
浅見健二
鯛入りの酢飯やふわふわの錦糸卵が一度に味わえる、温かいお寿司
口伝
蒸し寿司
「シイタケ」を甘辛く炊いたものと、「鯛」の身を細かく刻んだものを「酢飯」に混ぜ込み、蒸して温かいうちに召し上がっていただく寿司になります。
具材の調理
「鯛」の身は、「濃口醤油」でさっと洗ってから焼きます。
焼き方はしっかり芯まで火が通るように焼いてください。
「鯛」の身を細かく刻みますが、皮付きのまま刻んでください。
「干しシイタケ」を水で戻して、「戻し汁」と「砂糖」「醤油」で地が無くなるまで煮詰めます。
味の加減はお好み次第ですが、しっかりと味がついた方が美味しくなります。
「干しシイタケ」を甘辛く炊いたたものを、こちらも細かく包丁で刻みます。
「酢飯」を作りますが、木桶があれば用意して内側を濡らします。なければボウルで構いません。
炊きたての「ご飯」茶碗3倍分くらいを木桶に入れて「寿司酢」を入れて良くかき混ぜます。
ここに細かく刻んだ「シイタケ」と「鯛」、さらに「いりごま」を加え、よく撹拌させて具が馴染むように混ぜ合わせます。
「酢飯」は切るようにして、水分を飛ばすように混ぜ合わせます。
次に「錦糸玉子」を作りますが、卵焼き器を用意して油を多めに引いて熱してから、余分な油を捨てます。
溶いた「卵」を一気に流し入れます。
片面が焼けましたら、端を取って、卵焼き器を斜め上に挙げながら、箸で回すようにしてひっくり返して、反対側を焼きます。
さっと焼きましたら、ざるに被せて粗熱をとって刻めば「錦糸玉子」の出来上がりです。
鍋に「薄口醤油」と「みりん」「砂糖」、刻んだ「生姜」を入れて沸騰しましたら、背ワタを抜いた「才巻海老/さいまきえび」を入れて煮ていきます。
※才巻海老_車海老の10cm以下の大きさのもの。
「海老」の頭からも旨味が出ますので殻付きのまま煮ます。
中途半端に煮てしまうとアクがたくさん出て黒くなってしまいますので、しっかりと火を入れます。
中火から強火の火加減で、常に沸騰している状態で、アクを取りながら煮ます。
「海老」に火が入りましたら、火を止めて取り出し、粗熱をとってます。
煮上がった「海老」の殻を剥いて、大体3等分に切り分けます。
蒸す
器に「しいたけ」と「鯛」「いりごま」の入った「寿司飯」を入れて、「錦糸玉子」を満遍なくのせて、最後に3等分した「海老」を乗せます。
器に蓋をして蒸し器で8分から10分蒸します。
蒸し上がりましたら、「紅しょうが」と「木の芽」2枚を添えて出来上がりです。
鯛とシイタケの旨味がお口の中に広がる温かいお寿司〈蒸し寿司〉です。
上に乗せる具材は「穴子」や「うなぎの蒲焼き」などでもよく合います。
材料〈5人から6人前〉
材料 |
〈酢飯〉 紅しょうが 適量/木の芽 適量 |
作り方
① 〈酢飯〉を作る。鯛は全体にしょうゆ(分量外)をくぐらせてから魚焼きグリルなどで焼き、粗熱がとれたら皮ごと庖丁で細かくたたく。しいたけの甘煮も庖丁で細かくたたく。
② 水でさっと濡らした飯台(またはボール)に温かいごはんを入れ、すし酢を回し入れる。切るようにさっと全体を混ぜ、ごまを加えてさらに混ぜる。①の鯛としいたけを加えて混ぜ、固く絞ったぬれ布巾をかけておく。
③ 〈錦糸卵〉を作る。ボールに卵を溶きほぐし、塩を加えてよく混ぜ、ざるで濾す。卵焼き器を熱して油を多めに入れ、全体になじんだら余分な油を取りおく。卵液を適量注ぎ、表面が乾いたら裏返し、裏側も焼いて取り出す。
④ 油を染みこませたペーパータオルで、卵焼き器に油を塗り、残りの卵液も同様にして焼く。粗熱がとれたら重ねて約5㎝幅に切り分け、さらに重ねて短辺の端から細切りにする。
⑤ 〈えび〉を作る。えびは背ワタを取り除く。えび以外の材料を鍋に入れ、強めの中火で沸騰させ、えびを加えてアクを取り除き、火が通ったら火を止める。そのまま冷まし、頭、殻、尾を外し、それぞれ3等分に切り分ける。
⑥ 蓋つきの茶碗に②の酢飯の1/3量をよそい、その上に④の錦糸卵を1/3量広げ、⑤のえび1尾分を乗せて蓋をする。残りも同様にし、蒸気の上がった蒸し器で10分ほど蒸す。
⑦ 蒸し上がったら蓋を外し、紅しょうが、木の芽を各適量乗せ、蓋をする。
※1.干ししいたけを水でもどし、もどし汁と砂糖、しょうゆで煮汁がなくなるまで1時間ほど甘辛く煮含めたもの。
◆錦糸卵の卵は、ざるで濾すことで卵のコシが切れてきれいに仕上がる。
◆えびは殻つきだと頭から旨味が出て、おいしくなる。
◆えびの代わりに焼いた穴子などでもおいしい。
◆酢飯は冷凍保存が可能。
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