食べる精神安定剤
処暑の初候_「綿柎開く/わたのはなしべひらく」この時候に「バジル」をいただきます。
綿柎開く_8月23日から8月27日
綿の木の開花は七月から八月ですが、その後蒴果(さくか)と云う実をつけます。
この時候は、その蒴果の実を包む柎(萼/がく)が開き始める頃です。
蒴果がはじけて、中から白いコットンボールの綿花が現れたのを摘み取り、種を取り除いてから糸を紡ぐ作業に入ります。
綿は江戸時代初期に日本に伝わり、長く庶民の着物として親しまれて来ましたが、現代の日本では綿作を行なっているところは殆ど無くなり、七十二候にその名残があるだけです。
この時候に神経を鎮める効果のある「バジル」をいただきます。
バジル_高血圧を予防し改善
シソ科メボウキ属の多年草ハーブ。熱帯アジアからインド、アフリカを原産地とする。爽やかな甘い香りとかすかな苦味を持ち、イタリア料理やタイ料理にで使われる。イタリア語で「バジリコ」、日本語で「目箒(めぼうき)」と呼ばれる。
神経を鎮める作用があり、古代ギリシャ・ローマ時代には、うつ病や不眠症のための精神安定剤として使われていたと云う。
【選び方】葉の緑色が濃く、艶の良いものを選ぶ。茎の切り口がきれいなこともチェックポイントのひとつ。
【旬の時期】一年中で回るが、作付けには気温の上がる5月から6月が最適で本来の旬は7月から9月まで。
【産地】大分県など。
【保存方法】傷みが早く、冷蔵保存でも低温障害で黒ずみをおこしやすいだめ、早めに食べ切る。
【栄養】非常に多くのβーカロテン、カリウム、カルシウムを含み。相性の良いトマトと一緒に調理すれば抗酸化作用も加わり、がんや動脈硬化予防に有効。
以上、『旬の野菜の栄養辞典/エクスナレッジ刊』より