オレキエッテの作り方/濱崎泰輔シェフ
イタリア・プーリア州の郷土パスタをお家で再現します
プーリア州の郷土のパスタ「オレキエッテ※1」を作ります。
こちらのパスタは正直申しますと、かなり難しいパスタですけれども、今日すぐにでご家庭で出来る簡単な作り方をご紹介したいと思います。
※1オレキエッテOrecchiette_プーリア地方の小さな耳の形をしたパスタ
生地を作る
粉の風味と旨味を味わう。
ボウルに「小麦粉強力粉」「セモリナ粉」とひとつまみの「塩」を入れてよく混ぜ合わせます。
分量の「水※2」を少しずつ加えながらコネます。
※2イタリアでは硬水を使って練るのが一般的ですが、ご家庭では軟水(水道水)でも構いません。
イタリアでは「セモリナ粉」を使ってパスタを作りますが、硬質小麦でのすので、結構まとまりづらく、強く手で揉み込んでもまとめるのにも時間がかかります。ご家庭では、最初は「セモリナ粉」を使わずに「小麦粉強力粉」で作って、どんどん上達してから「セモリナ粉」も使って作るようにしてもよろしいかも知れません。
「セモリナ粉」を入れることによってパスタの風味は変わって来ます。
日本人はよくわかると思いますが〝粉の美味しさ〟を味わう、食べるということです。
「セモリナ粉」を入れることで、粉の美味しさが広がっていきます。
ある程度まとまりましたらボウルから取り出して、体重をかけながら練ります。
生地にはまだ水分が廻りきっていないので力が必要ですが、体重を上手く使って練ってください。ある程度練りましたら、ラップに包んで20分ほど寝かせます、さらに水分を回すようにします。
この練ってからラップに包んで20分ほど寝かせるというのを、4回ほど繰り返して「生地」を完成させます。
水を多めにすることで早く仕上げることはできますが、柔らかい「生地」となってしまいます。
気温の低い冬場は「生地」に水が回るのに時間がかかりますが、温かい夏場は寝かせる回数も少なくなります。
寝かせて水が回った「生地」を再度練り、「生地」の全体がツルッとして、指で押さえて戻るようになれば出来上がりのサインです。
パスタを作る
生地を乾燥させないように作る
このパスタは乾いてしまうとダメになってしまいますので、生地が乾かないように、作る分量以外の「生地」は濡れ布巾かラップをして乾燥しないようにします。
「生地」を直径1cmほどの棒状に伸ばして、1.5cm幅くらいに切り分けます。
切った断面を上にして、ナイフで手前に引きながら押して、指で押し返すようにしながらひっくり返して、形を作ります。
ひっくり返した時の表面にギザギザの筋がついていることが「オレキエッテ」が上手にできた証拠です。
ナイフで手前に引くときの力が弱いと厚くなって表面にギザギザがないものになります。
また力が強すぎると、ひっくり返した時に平らな状態になってしまったり、丸まってしまったりしますが、これらも前者はストラッシナーティ※3、後者はカヴァテッディ※4というパスタとして存在します。
※3ストラッシナーティStraseinati_バジリカータ地方の小さな耳の形をしたパスタ
※4カヴァテッディCavatiddi_南イタリアの薄く伸ばしたコイン代の生地を薄く巻いたパスタ
いきなり「オリキエッテ」に挑戦するのではなく、まず最初はこれらのパスタを作ってみられてもよろしいかと思います。
また「オレキエッテ」の簡単な作り方として二つの方法をご紹介します。
ひとつは、切った断面を上にして人差し指で手前に引きて裏返す方法です。これですとひっくり返した表面が厚くなりますが「オリキエッテ」の形を覚えるには良い方法です。
二つ目は、切った断面をザルの側面につけて押しますと表面にギザギザができます。
材料〈1人から2人前〉
材料 |
強力小麦粉 200g/セモリナ粉 150g/水 180ml/塩 1つまみ |
料理事例のレシピは「オレキエッテ ピアット ディ フォルジャーノ」「オレキエッテとブッラータチーズ」をご参考ください。