乳酸発酵について/髙橋雄二郎シェフ
発酵食品が豊富な日本では身近な食品です
乳酸発酵というのは、発酵食品の多い日本では身近なもので、漬物などがそうです。
あとはヨーグルトなど発酵による酸味が特徴として出てきます。
基本的には野菜に塩をして、それは常温よりも少し暖かい場所27度から30度くらいの場所において発酵が進み、菌が増えることによって酸味と旨味が増します。
世の中に発酵食品が多く出回っているところに、あえて自家製の発酵食品を作るということは、意味付けと管理が難しかったりしますが、自家製ならではの、その家庭や店でしかできない味わいというものが作れますし、余計なものを加えなくてもしっかりとした自然の旨味というもので、美味しいものが出来上がるという利点がありますから試す価値があると思います。
私のレストランでも発酵食品に関して色々とチャレンジしていますが、漬け物のように付け合わせとしてアクセントに使うものや、発酵によって得た液体を煮詰めて旨味を凝縮して使うものがあります。
例えば、シュークルートChoucroute(乳酸発酵させたキャベツ及びそれを使った料理 作り方はこちらをご覧ください/ドイツ語でサワークラウトSauerkrauto)をソースに。
また、キノコやマッシュルームに2%の塩をして、密封袋で発酵させ酸味と旨味を出したものを酸味を飛ばして乾燥させ旨味が凝縮された粉を作り、この粉を使ってクレープ生地を作ったり、キノコ風味のフィナンシュ(Financier/小麦粉、アーモンドパウダー、バター、砂糖、卵白などを使ったケーキ)などに発酵キノコの味わいを料理の補強としても使っています。
ピクルス系では液体をあえて多めにとって、この発酵液をゼラチンでジュレのようにして肉に添えたりします。
ビーツを発酵させたものはそのまま肉や魚の添え物として使っています。
発酵食品を作ること自体はそんなに難しいものではありませんが、料理にこの味と旨味の活かし方を試行錯誤することが面白いと感じていますので、今後も色々試したいと思っています。
発酵食品自体が健康に良いものですので、皆様も試行錯誤しながらご家庭でお試しください。