玉蜀黍
食物繊維たっぷりで腸を健やかに
イネ科、乾燥とうもろこしは、稲・小麦とならぶ三大穀物です。原産地は中央アメリカで、コロンブスがヨーロッパに持ち帰りました。
日本へは16世紀に渡来、明治初期に改めて導入され、北海道開拓で本格的に栽培がスタートしました。
生野菜として流通するのは、胚乳に糖分の多い甘味種のスイートコーン(未熟)で、最近は糖度約15度の生食用品種も登場。粒が白いホワイト系や、お弁当に重宝な幼果のヤングコーン(ベビーコーン)もあります。
ちなみに頭部のひげ(めしべ)は実とつながっているので、ひげと実の数は同じです。
【旬の時季】近年は一年中出回りますが、甘みや風味が強くなるのは6月から9月
【産地】主産地は北海道、羊蹄山の裾野で栽培される「羊蹄とうもろこし」が有名。茨城県、群馬県も
【栄養】炭水化物が多く高カロリー。粒の根元の胚芽にはビタミンB群やカリウム・リンなどのミネラルが豊富。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
朝採れ物
鮮度が味に直結
〈とうもろこし〉について /「オトワレストラン」音羽創シェフ
本当に身近な食材で、缶詰に入ったものなどもありますけれども、今回お話をしたいのはフレッシュな〈とうもろこし〉についてです。
一般に馴染みのある食材ですし、誰もにイメージする味があると思います。
私が地元栃木に戻りまして驚きました食材のひとつです。
と云いますのは、鮮度がここまで味に直結するのは少ないのではないかと思う「野菜」のひとつです。
〈とうもろこし〉は収穫されてから、時間の経過とともに、甘みや香りが急速に失われてしまいます。
2017年「RED U-35*」という大会に参加した際に〈とうもろこし〉について色々調べました。
*RED U-35 (RYORININ’s EMERGING DREAM)/https://www.redu35.jp/
新時代の若き才能を発掘する、日本最大級の料理人コンペティションで、これまでの料理コンテストとはまったく異なる視点で、 日本の食業界の総力を挙げて開催している料理人コンペティション。音羽シェフは、2017 準グランプリ&GOLD EGGを受賞。
地元にいました時からスペシャリテとして料理をしていましたが、栄養価など本当に理にかなっていることが多く、朝店に出る前に採りたてのとうもろこしを採って、その日のお客様のために作るというのは、なかなか都心ではできない料理のひとつでした。
東京に移りました現在も、栃木に戻った時に、朝採れたものを持ち帰ったりですとか、送ってもらう際にも、いかに時間を短くするかや保存の方法にもこだわっています。
そういった意味で私の思入れも深く、ぜひ皆様にも新鮮な〈とうもろこし〉を手に取っていただけたらと思うところです。
〈とうもろこし〉は、地方ですと直売所などで朝採りの〈とうもろこし〉が多く出回っております。
生で食べられるものや火を通すと美味しい品種などたくさんあります。
選び方
ヒゲがポイント
どうしても都心などの八百屋さんなどには、採れてから翌日、翌々日に店頭に並ぶものが多くなります。
そのような〈とうもろこし〉を選ぶポイントとしましては「ヒゲの多いもの」それが「しっかり完熟して茶色に変色しているもの」を選ぶのがポイントとなります。
皮が剥がされている状態のものは「実の粒の揃ったもの」ですとか「実にハリがあるもの」を確認することによって、美味しい〈とうもろこし〉を見きわめることができると思います。
後はお買い求めいただいてから、すぐに火を通すということがポイントとなると思います。
スープを作る際に「玉ねぎや香味野菜を全く入れない」こと、それから火を通すのは〈とうもろこし〉だけで、それ以外のものは一切火を通さずに作るということです。
生クリームですとか他の野菜が入れますと〈とうもろこし〉本来の美味しさを隠してしまいます。
フレッシュな旬の時期の〈とうもろこし〉を使ってスープを作っていただきますと、夏の楽しみのひとつになるのではないかと思っています。
レシピ
とうもろこしの冷製スープ
〈とうもろこし〉を美味しく食べる時に、そのままシンプルに蒸し上げたり、焼いたりも良いのですが、今回ご案内する〈とうもろこし〉のスープというのは、私自身も〝目からウロコが落ちた〟というものです。
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