寒露_令和8年10月8日から令和8年10月22日まで
釣瓶落とし
秋が深まる頃、夕刻にはあっという間に陽が沈んでしまい、黄昏となってしまいます。
この秋の日暮れが早いことを、日本では「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」と言い表します。
「釣瓶落とし」とは、井戸から水を汲む桶・釣瓶(つるべ)が、井戸の底に〝すーっと〟落ちて行く様に准えられたものです。
別の表現では、素早く振り下ろされる鉈(なた)に喩えて「秋の日の鉈落とし」もあります。
釣瓶落としは、秋の季語ともなっていて
釣瓶落しといへど光芒しづかなり —水原秋櫻子
(一気に沈む秋の夕日とはいえど、その残光は静かで美しい)と、一瞬の中に煌めきの情景を見出しています。
人生の黄昏時の我が身には、儚い一瞬の輝きと捉えなくもありません。
また「釣瓶落とし」は、京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県、和歌山県などに伝わる民話では、木の上から落ちて来て人間を襲い食うという怖い妖怪の名でもあるそうです。

