生きた化石の種子
寒露の次候_「菊花開く/きっかひらく」 この時候の旬菜「銀杏/ぎんなん」をいただきます。
菊花開く_10月13日から10月17日
この時候には、「七竈/ななかまど」が燃えるような真紅の彩で山を染める時期です。
しかし、信州をベースとしている写真家によると、最近は紅葉しないで枯れてしまう「七竈」もあるようです。
七度竈に入れても燃え残るほど燃えにくい「七竈」さえ、地球の温暖化には抗えないようです。
さらに本年は、台風の影響で、信州の山の麓〝千曲川流域〟も荒れました。
自然の猛威の前で人間は無力ですが、自然から与えられる「旬菜」を、息災であることが「ありがたい/有ることが困難なこと」と味わうことが肝要なのでしょう。
菊枕
九月九日の「重陽の節句」では菊の花を飾ったり、菊酒を呑んだりしますが、新暦では菊の花の盛りはこの時候となります。
菊は中国から伝わった当初は薬としてだったそうです。
摘んだ菊の花を乾燥させて作った枕は、邪気を払い長寿を得ると云われるそうです。
また、菊の香の夢心地がよく、想う人が夢に現れるということから、女性から男性に贈られることが多かったようです。
嬉しいような_怖いような
銀杏/ぎんなん_カリウム豊富で高血圧予防
イチョウ科。「生きた化石」と呼ばれるイチョウの種実で、原産地は中国。雌雄異株で、雄株の花粉が風に乗って雌株の花に受粉し、10月頃に直径2cm大の種子が落下する。外側は柔らかい外種皮で強い悪臭を放ち、食用にするのは、固い殻と薄皮に包まれた胚乳部分、微量の清算を含むので、生で食べたり、大量に食べ過ぎないよう注意する。
【選び方】大粒で、殻付きの白く乾いているものを選ぶと風味が良い。殻があるので常温でも日持ちするが、美味しいのは12月くらいまで
【保存方法】時間とともに実がしぼむので、張りがあるうちにさっと茹でて皮をむき、冷凍保存する
【旬の時期】10月から11月が旬
【産地】全国にあるが、愛知県と大分県で産出量の半分を占める
【栄養】主な成分は炭水化物でβカロチンやビタミンC、ミネラル、カリウムを豊富に含み、漢方薬や民間療法にも使われるほど栄養価が高い
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
日本料理「山さき」
山﨑美香 料理長「擬製豆腐」
季節の野菜がたっぷり!ヘルシーなのに食べ応え抜群