元々は薬草
秋分の初候_「雷乃収声/かみなりすなわちこえをおさむ」この時候に「韮/にら」をいただきます。
雷乃収声_9月22日から9月26日韮
夏の間、夕立と共に鳴り響いていた雷が鳴らなくなり、もくもくの入道雲がうろこの形をした鰯雲へと変化します。
お彼岸に室礼われる「彼岸花」ですが、別名「曼珠沙華/まんじゅしゃげ」とも呼ばれ、一本の茎に六つばかりの花を咲かせます。
そのむかし、この彼岸花の根を水に晒して毒抜きしたものが飢饉の際の非常食となったようです。
現在のイメージとはまた違った一面を持った花です。
この時候に疲労回復と風邪の予防に効く「韮」をいただきます。
韮/にら_老化抑制と疲労回復
ユリ科の多年草。中国西部から東アジアにかけて広く栽培されてきた。薬用として古い歴史を持つ香辛野菜。日本でも『古事記』や『万葉集』にも登場するほど古くから親しまれてきたが、長らく薬用として食べられ、野菜として栽培され出したのは明治時代に入ってからである。
【選び方】葉が真っ直ぐに伸び、ピンとした張りと艶があるもの、茎は根元の切り口がみずみずしく、適度な弾力があるほうが甘味に優れる。
【旬の時期】一年を通して出回るが、冬が旬である。
【産地】高知県、栃木県、茨城県、宮崎県、北海道など。
【保存方法】鮮度が落ちやすいので早めに食べる。冷蔵庫には水で湿らせた新聞紙に包み野菜室に。
【栄養】体内でビタミンAに変わるβカロテン、やビタミンB群、C,E,Kを豊富に含み、これらの相乗効果でがんや老化抑制、風邪の予防、疲労回復など広い範囲にわたって健康効果を発揮する。
以上、『旬の野菜の栄養辞典/エクスナレッジ刊』より
料理事例のレシピは、飯田徹也シェフの料理塾「海老ニラ饅頭」などをご参考ください。