体を冷やして鎮痛・消炎
寒露の初候_「鴻雁来る/がんきたる」この時候に「茄子/なす」をいただきます。
鴻雁来る_10月8日から10月12日
鴻雁来る_今年はじめて渡ってくる「初雁」が北から渡ってくる頃。この雁が海を渡る頃に吹く北風を「雁渡し」と呼びますが「青北風」という別名もあります。燕が去り、雁や鴨がやって来る。自然界の営みは悠久に繰り返されます。われわれ人間もまたその移ろいの中に生かされています。
この時候にがんや動脈硬化、高血圧の予防に効果のある「茄子」をいただきます。
茄子_ポリフェノールで抗酸化作用
ナス科 原産地はインドで、日本へは中国経由で8世紀の初めに渡来。古くから栽培されている日本の代表的な野菜。漢方では体を冷やす野菜として、鎮痛や消炎のために使われてきた。血行の促進作用や利尿作用にも優れ、「秋茄子は嫁に食わすな」は、体が冷えて流産することを心配した気遣いから生まれたとされる。最も多く流通するのは中長形の千両茄子。
【選び方】皮の色にムラがなくハリと光沢があり、ヘタの切り口が新しくて、痛いくらいのトゲがあるもの。
【旬の時期】ハウス栽培が多く一年中出回る。
【産地】ほぼ全国。千両茄子は高知県、熊本県、群馬県のほか。
【保存方法】比較的長持ちするが、冷気に当たると萎んだり種の周りが茶色に変化するので、新聞紙で包んだり穴の開いたポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
【栄養】水分が主体で、茄子の皮の紺色はナスニンというポリフェノールの一種で抗酸化作用がある。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、髙橋雄二郎シェフの料理塾「焼きなすのムース マグロのタルタル仕立て」、野﨑洋光料理長「ヨーグルト味噌漬け」、髙橋有希料理長「なすのオランダ煮」、濱崎泰輔シェフ「ナスとパプリカのマリネ」、古賀純二シェフ「野菜のテリーヌ」などをご参考ください。