ビタミンとミネラルを補う
清明の末候_「虹始見/にじはじめてあらわる」この時候に「芹/せり」をいただきます。
虹始見_4月20日から4月24日
虹始見_雨上がりに初めて虹がかかる頃、夏にかけて夕立の後に多く見られるようになります。
春が深まると、湿度が高まりますので、きれいな虹を見ることができるようになります。
虹の文字が虫偏であるのは、昔の人が空にかかる虹のことを〝大きな蛇/竜〟と見立てたためです。
白川静の『字通/平凡社』によれば、「虹の字の〝工〟は、左右にわたってそりのあるもので、虹の胴体と考えられている部分はその形。左右両頭のものとされ。虹は竜形の獣とされた」とあります。
霧の中にかかる白い虹を〝白虹(しろにじ)〟月明かりに浮かぶ淡い虹を〝月虹(つきにじ)〟と呼ぶそうですが、どちらも運良く見てみたいものです。
芹_リュウマチの症状緩和に
セリ科。古くは「万葉集」などでも詠まれた。日本原産の野菜、湿地に〝競り合って密生する〟ため〝せり〟の名前に、アクを含んだ野趣豊かな香りと苦み、シャキシャキとした歯ごたえは、春の訪れを知らせる。「春の七草」のひとつ。
【選び方】緑色が美しく、茎がシャッキとしているもの。茎が太いものより、細い方が歯ごたえを楽しめる。
【旬の時期】栽培物は夏以外年中出回るが、味が濃くなるのは1月から2月、野生のものは2月から3月頃だけの野菜。
【産地】茨城県、宮城県、大分県、秋田県など。
【保存方法】水で濡らしたキッチンペーパーや新聞紙で根元の部分を包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存。
【栄養】βカロテンを非常に多く含み、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなどのビタミン類と、カリウム、鉄を中心にミネラルも多く含む。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、鈴木珠美シェフ「ひき肉とセリのスープ」、小薇シェフ「芹と厚揚げの塩炒め」、浅見健二料理長「あさりと長せりと薄揚げのにびたし」などをご参考ください。