骨粗鬆症予防に
春分の末候_「雷乃声発/かみなりのこえはっす」この時候に「菜の花」をいただきます。
雷乃声発_3月30日から4月4日
雷乃声発_春の訪れを告げる雷が鳴り始めます。雷は恵みの雨の知らせとして歓迎されました。
雷というと、私たちに、夏の夕立の前にゴロゴロと鳴り響くものを想起させますが、春雷(しゅんらい)は、ひと鳴りふた鳴りして止む短いものです。
冬ごもりをしていた虫たちを起こすので、〝虫出しの雷〟とも呼ばれます。
以前「2020年処暑」にも記しましたが、かつて農家では雷の落ちた田圃に注連縄を張って大事にしました。
現在、雷が稲の発育を促すことが科学的に証明されています。
ですから、昔の人は、雷は〝神鳴り〟雷の光である稲妻は〝稲の夫(つま)〟と信じていました。
菜の花_ビタミン、ミネラルが横綱級に豊富
アブラナ科。地中海沿岸や北ヨーロッパが原産地。日本には中国経由で渡来し、菜種油を取るために栽培されてきた。現在、食用にするのはこれとは別の洋種で、花が咲く手前の蕾がついた花茎。「菜花/なばな」「花菜/はなな」とも呼ばれる。鮮やかな若草色は、蕾の存在もあって、春の到来を告げる野菜。ほろ苦さと、かすかな辛味が持ち味。
【選び方】葉や茎の緑色が鮮やかで、ぴんとしているもの、蕾が開ききるとエグミが強くなるので、固く締まっているものを選ぶ。
【旬の時期】12月末頃から出回り始め、3月頃がピーク。
【産地】千葉県、徳島県、香川県、高知県など。
【保存方法】束ねてあるものは、ゴミやテープを外し、水で湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室へ。
【栄養】ビタミン、ミネラルを多く含む。特にビタミンCは、ほうれん草よりも多く、半束で1日の摂取目安量を軽くクリアする。また、抗酸化作用をもつビタミンも豊富で、活性酸素の働きを抑え、細胞の老化や癌から体を護る。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、野﨑洋光料理長「あさり五目うどん」、山﨑美香料理長「菜の花と数の子和え」、山本誠シェフ「スフォルマート」、古賀純二シェフ「春野菜のテリーヌ」、田村涼介シェフ「アサリと菜の花のワンタンスープ」、飯田徹也シェフ「スペアリブのブラックビーンズ蒸し」などをご参考ください。