「山さき」
山﨑美香
春の苦みとつぶつぶとした食感が楽しい
口伝
菜の花と数の子和え
菜の花は春の野菜で苦味がありるものですが、苦いものを春に摂るというのは体にとても良いようですので、数の子と和えてみたいと思います。
菜の花の下拵え
「菜の花」を買ってきたばかりの時は、少し元気のない状態になっていますが、これを一口大の大きさに切り分けて、張りのある状態になるまで水に浸けてシャキッとさせます。
菜の花の下拵え
「数の子」は、一晩たっぷりの水につけて塩抜きをします。
「数の子」には全体に薄皮がついていますので、指で綺麗に剥きます。
両面背の方から指で剥いていきますが、ヒダの間に残っているものなどは竹串を使ってていねいに取り除きます。
この薄皮がきれいに剥けていますと美味しく食べられます。
この余分なものをていねいに取り除くことが大事になります。
塩抜きが足りませんと剥きにくくなりますので、塩抜きをちゃんとやる事が大切です。
薄皮が剥けたら水気を切っておきます。
菜の花を茹でる
鍋にたっぷりの湯を沸かして「塩」を入れて、沸騰しているところに「菜の花」を入れて箸などで沈めるようにします。
「菜の花」は火が通りやすくやわらい野菜なので、全部沈めて一息経ちましたら火を止めて、ザルにあけます。
茹でた「菜の花」は水につけたりせずに、湯を切ったままを団扇などであおいで粗熱を取ります。
放っておくとどんどん火が入ってしまいますので急いで冷まします。
水に入れると早く冷めるのですが、「菜の花」の味が抜けてしまいますので、水は使いません。
ある程度湯気が出なくなりましたら、完全に冷めるまでしばらく置いてください。
数の子をほぐす
まな板の上に濡れ布巾(または晒しや日本手ぬぐい)、水気を切った「数の子」をちぎっておきます。
ちぎった「数の子」を布巾で包んでから、まな板に上から押し付けるようにして揉みます。
この時布巾の口が開いていると中の「数の子」がこぼれてしまいますのでご注意ください。
和える
ボウルに「醤油」を入れ、「菜の花」の水を軽く切ってボウルにほぐし入れて良く和えてお浸しを作ります。
よく合わさった所にほぐした「数の子」を入れて混ぜ合わせれば出来上がりです。
器に「菜の花」の軸と頭がバランスよく入るように盛ってください。
ほろ苦い菜の花と数の子のつぶつぶとした食感をお楽しみください〈菜の花と数の子和え〉の完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
菜の花 200g/数の子 4本(80g)/しょう油 小さじ2 |
作り方
【下準備】
菜の花を3cm長さに切り、洗ったあとしばらく水につけシャキっとさせる。
数の子を一晩たっぷりの水につけ塩抜きし、薄皮をむく。
① 鍋に湯を沸かし、少し多めの塩を入れて菜の花をさっと茹で、ざるにあげて、急いで冷ます。
② まな板の上に濡れふきんを広げ、数の子をちぎり、ふきんで包んでまな板に押し付けるようにもみながらほぐす。
③ ボールにしょう油を入れ、①の菜の花の水気を軽く切って入れ和える。②の数の子も加えさらに和える。
④ 器に盛る。
◆菜の花をゆでた後に水にとると栄養・うまみが逃げてしまうので、ざるにあげてそのまま冷ます。余熱でも火がはいってしまうので急いで冷ます。
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