処暑_令和2年8月23日から9月6日まで
処暑_この時期の暑さを表現する言葉に「餞暑」があります。去りゆく夏が〝餞別〟のように残していく暑さを表します。
日中は盛夏と呼びたいくらいの時期で、立秋を過ぎても手放せない扇子を「秋扇」と呼び、この時候の季語となります。
それでも朝夕は幾分凌ぎやすくなってきました。この時期の毎年の楽しみといえば、葡萄、桃、梨といった果物でしょうか。
雷(神鳴り)と稲妻
「雷」は夏の季語で「稲妻」は初秋の季語です。
積乱雲から空中に放電される電光。その音を雷(神鳴り)、光を稲妻と区別しました。
むかしから農村では神鳴りが落ちた田圃には〝しめ縄〟を張り巡らせて特別なものとしました。
稲妻には稲を実らせる力があると信じられていたからです。
これは長らく迷信とされてきましたが、最近の研究では、神鳴りが起こった周りでは窒素が発生しこれが肥料として雨に混じって田圃に降り注ぎ栄養を与えること。
また、神鳴りの周囲ではマイナスイオンが発生し、あたりを広範囲にわたって殺菌して稲を守ることが解明されています。
雷が落ちれば、稲が肥え、悪い菌を殺して周りの田圃にも良い影響を与えることを、そのメカニズムを抜きにして昔の人は知っていました。
だからこそ、しめ縄で囲って神からの恵みである雷(神鳴り)に感謝をしました。
これからの野分(台風)の季節には稲の実った田圃に稲妻の落ちる機会が増えます。
被害を与えることなく、より実らせる力となるよう豊作を念じます。
今回の特集は、濱崎泰輔シェフのイタリア料理特集「生パスタが食べたい」、シェフの知恵が「バジル」「オレキエッティの作り方」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹