「麻布長江香福筵」
田村亮介
カニの旨味を卵白で閉じ込めた餡をブロッコリーにかけて
口伝
ブロッコリーのカニ肉餡かけ
この料理はブロッコリーの緑色と、カニ肉の赤、卵白を使った白の三色が入った綺麗な色合いの料理です。
ブロッコリーは一年中ありますし、カニは缶詰を使いますので一年中いつでも簡単に作れて楽しめる料理です。
ブロッコリーの処理
「プロッコリー」の房を、ひと口大の大きさに切り分けていきます。なるべく同じくらいの大きさに切り分けます。
「ブロッコリー」の周りについている房は比較的大きめですが、上の部分になると小さくなってきますので、ある程度の大きさになったら、残りをひとかたまりで切り落とします。全て切り落としましたら、同じ大きさになるように再度切り分けます。
このままで加熱しても構わないのですが、房の周りに厚めの皮がありますので、これを剥きます。
皮が残っていると加熱した後も口に残りますが、この皮を剥いておくと、出来上がりの口当たりが良くなり、より品の良い料理になります。
残ったブロッコリーの茎の部分ですが、こちらも美味しくいただけます。
やはり、外の皮の部分には強い芯があり、また筋が通っていて加熱しても硬いままですので、こちらをしっかり丁寧に取り除きます。
芯や筋を取り除いたものは、薄切りや厚切りにして、加熱しても、生でサラダにしても美味しく召し上がることができます。
ブロッコリーを茹でる
「ブロッコリー」は、お湯に「塩」と「油」を入れて茹でます。
「塩」を入れることで下味がつき、「ブロッコリー」の緑の色味が映えます。
「油」を入れると 「ブロッコリー」の周りをコーティングして旨味の流失を防ぎます。
沸騰した湯の中に「塩」「油」を入れ、「ブロッコリー」を入れますが、必ず沸騰している湯の中に入れるようにしてください。
「ブロッコリー」を入れて再沸騰したら中火にして、1分くらいを目安に、柔らかすぎず、硬すぎない「ブロッコリー」のシャッキとした食感を残しながら柔らかい状態に茹でます。
茹でている間は、均等に熱が入るように時々かき回してください。
「ブロッコリー」の茹で具合をみる際は、芯のところを触って、面が硬くて内が柔らかいくらいで取り出すと食べる頃には、食感の残った良い具合に茹で上がります。
しっかりと水気を切って盛りつけます。
盛り付ける際は、皿に大きめの房のものを外側に置き、小さめのものを上に置いて、ブロッコリーの形を再現するように盛り付けます。
カニ肉の餡を作る
鍋に「油」、「しょうが」のみじん切りを入れ弱火で香りを出すように炒めます。
香りが出ましたら「中華スープ(市販のもので構いません)」を加え、「ズワイガニの缶詰」を入れます。
今日はズワイガニで作りますが、ズワイガニが無い場合は、干し貝柱の水煮や海老、ホタテ、イカなど海鮮物でしたら相性は良いです。
しかし、カニでしたら、どの種類のカニも本当に「ブロッコリー」と相性が良いので、カニでお作りになることをお薦めします。
沸騰してきたところに「酒」「塩」を加えたら、「水溶き片栗粉」を入れてとろみをつけますが、「水溶き片栗粉」を入れる時は一旦火を止めて、沸いていたのが落ち着いたところで入れて、しっかりと混ぜます。
沸いている状態で「水溶き片栗粉」を入れますと餡がダマになって、滑らかな餡にならず、食感の悪い餡になってしまいます。
全体に「水溶き片栗粉」が回ったところで火をつけますと綺麗な餡ができます。
最後に「卵白」の腰をしっかりと切って、餡の中に入れますが、「卵白」を入れる時は餡を沸騰させてから流し入れるようにします。
「卵白」は必ず入れたらすぐに混ぜて、再度沸騰しましたら「カニ餡」の出来上がりです。
これをさきほどの「ブロッコリー」にかけます。
カニの旨味を卵白で閉じ込めた餡をブロッコリーにたっぷりかけた〈ブロッコリーのカ二餡かけ〉できました
材料〈2人から3人前〉
材料 |
ブロッコリー 1株/サラダ油 小さじ1/しょうがのみじん切り 大さじ1/かに缶 小1 缶/中華 スープ 1と1 / 2 カップ/酒 大さじ1/塩 小さじ1/ 2 |
〈水溶き片くり粉> |
片くり粉 小さじ2/水 小さじ3 |
作り方
① ブ ロッ コリーはひと口大の小房に分け、できれば軸の皮もむいて口当たりをよくする。
② 鍋にたっぷりの湯を沸か し、塩大 さじ1とサラダ油大さじ2 (ともに分量外)を入れ、ブロッコリーを加える。再沸騰したら中火にし、そこから1分ほどゆでる。ザルに上げて水気をきり、器に盛りつける。
③ フライパンにサラダ油としょうがを入れて弱火で炒める。香りが立ってきたら中華スープ、かにを加えて強火にする。煮立ったら酒、塩で調味して火を止める。
④ 水溶き片くり粉を加えて混ぜ、中火にかけて混ぜながらとろみをつける。煮立ったら卵白をしっかり溶きほぐしてから流し入れ、手早く混ぜながら火を通す。
⑤ ブロッコリーに④ をかける。
◆野菜をゆ でると きに塩 と油を入れ ると、 色つやがよく仕上がり、うまみ が逃げない。
◆ブロッ コリーは少しかたさを残してザルに上げると余熱で火が通り、食感よく仕上がる。
◆かにはうまみ が強 く味の決め手 になる。 なけれ ば帆立貝柱、 えび、いかで代用 してもよ い。
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