「ヒカリヤ」
髙橋有希
ほっこり体も温まる冬至の定番料理
口伝
南瓜のいとこ煮
「南瓜のいとこ煮」を作りますが、〝いとこ煮〟とは、煮えにくい物から〝おいおい〟順に色々な食材を〝めいめい〟別に煮て調理することから、〝おいおい〟の甥、〝めいめい〟で姪として、姪と甥の従姉妹ということで〝いとこ煮〟と名付けられました。
「南瓜のいとこ煮」は冬至の定番料理ですので、ホクホクと美味しく召し上がると体が暖まります。
小豆を煮る
鍋の「水」に「小豆」を入れて二度茹でこぼします。
「小豆」を入れた鍋の水を強火で沸騰させ、ボコボコ沸きましたら、「小豆」をザルなどに取り茹でこぼします。
再び鍋に「水」を張って「小豆」を入れ火にかけて、再度茹でこぼします。
さらに、鍋に先ほどより多めの「水」を入れて、茹でこぼした「小豆」を入れてコトコト煮て戻します。
最初は強火にかけて「水」が沸騰しましたら、弱火に落として30分から40分ほどコトコト煮ますが、途中水が少なくなりましたら、何度か差し水をしながらに煮詰まらないようにします。
目安として「小豆」が手で潰さないと潰れない程度まで煮えたら、火を止めます。
丸茄子の下処理
小ぶりの「南瓜」を用意しますが、「南瓜」はヘタの先端が青いものは美味しくないので、カラカラに乾燥しているものを選ぶようにします。
「南瓜」の種を取り除いてから上下のヘタを切り取って、三等分にして食べやすい大きさに切り分けます。
面取りをしながら、ところどころ皮を剥きます。
皮はそのままでも食べられるのですが、口に残るのと色合いも良くなりますので、皮はところどころ剥くようにします。
種があった部分は、そこから煮崩れることがありますので少し落とします。
包丁した「南瓜」は鍋の底に皮目を下にして隙間が開かないように敷き詰めます。
隙間があるとグラグラ煮たときに動いてしまい煮崩れやすくなります。
南瓜を煮る
「南瓜」を敷き詰めた鍋に「出汁/カツオと昆布」を注ぎ、「砂糖」を加えて火にかけますが、この時、落とし蓋をします。
落とし蓋はクッキングシートを四つ折りにしてから、くさび形に細かく折り、鍋の中心に先端を合わせて端の長さを決めてハサミで切り、先端の部分も少し落とします。
さらに折り畳んだ外側に何箇所か切り込みを入れて、広げれば簡単な落とし蓋の出来上がりです。
鍋に落とし蓋をしてから、強火で沸騰させ沸きましたら弱火にして、15分から20分くらい煮ますと「南瓜」に火が入ります。
「南瓜」にスッと竹串が通るようになりましたら「濃口醤油」「みりん」、戻した「小豆」を入れます。
この時、戻した「小豆」の戻し汁は煮汁が濁ってしまいますので入れないでください。
再び落とし蓋をして10分から15分煮詰めますと、「南瓜」に照りが出てきます。
ここで味見をし、味を整えて出来上がりです。
「南瓜」は煮崩れる直前まで煮るのがコツです。
「南瓜」の皮目を上にして豪快に盛り、「小豆」をかけて盛り付けます。
南瓜の美味しさで体が暖まる〈南瓜のいとこ煮〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
南瓜 1/2個/小豆 100g |
〈A〉 | 出汁 540cc/砂糖 60g |
〈B〉 |
濃口醤油 大さじ2強(36cc)/みりん 大さじ3弱(54cc) |
作り方
① 鍋に小豆を入れ、小豆がかぶるぐらいの水で沸騰するまでゆで、ざるにあげる。これを2回繰り返す。
② 鍋に①と水を入れ、30~40分ほど弱火で煮る。水がなくなったら水を足して小豆が手で潰れるぐらいまで煮る。ざるにあげ、ゆで汁をきる。
③ 南瓜の種を取り、食べやすい大きさに切って、面取りをする。
④ 鍋に南瓜の皮目を下にして重ならないよう並べる。
⑤ <A>を入れて落し蓋をして強火で沸騰させる。沸騰したら弱火で約10~15分、竹串がスッと入るまで煮る。
⑥ <B>と②を入れ、約15分さらに煮る。
⑦ 器に盛って、完成。
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