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鶏のくわ焼き


「分とく山」
野﨑洋光

フライパンで一度に作るくわ焼き

口伝

鶏のくわ焼き

「くわ焼き」はすき焼きに対抗して簡単に作れる料理として生まれました。
ではなぜ秋の料理なのかというと、字を見ていただくとわかりますように、鍬は金編に秋と書くからです。

すき焼きの〝すき〟は鋤の字を当て、こちらも鍬同様農機具をイメージして作られた料理です。
すき焼きの仰々しさがなく、簡単に美味しく作れる「くわ焼き」を覚えてください。

食材の下処理

「鶏もも肉」を皮目を下にして一口大のそぎ切りにします。
あまり厚いと火が通りにくいので1cm弱の厚さに切るようにします。

切り分けた「鶏もも肉」に「小麦粉」を薄くまぶします。
片栗粉でも構わないのですが、片栗粉は粘り気が強いためすぐに固まってしまいますので、小麦粉を使った方が味のキレが良くなります
なぜ粉を打つかと云いますと、粉にタレが絡みつくからです。
「小麦粉」を打つときは、刷毛を使いますと余分な粉を落とすことができて、ヘルシーでくどくならずに仕上がります。
ご家庭のキッチンに刷毛がひとつあると大変便利です。

「しいたけ」の軸を落として、「ししとう」はガクを揃えて切ってから縦に包丁の先で穴を開けるように切り込みを入れておきますと、火を通した時に破裂するのを防ぎます。


「長ネギ」は4cmほどの長さに筒に切りましたら、側面に浅く3箇所くらいに切り目を入れますと、火が通りやすくなり、芯が飛び出ることもなくなります。

食材の下処理

冷たいフライパンに薄く「サラダ油」をひいてから、皮目を下にして「鶏もも肉」を並べます。
テフロン加工のフライパンは、たくさん油をひかなくても良くなっていますので、健康のためにも油は軽くひきます。

以前はフライパンを熱してから焼くというのが常識でしたが、現在は熱さないで焼くという時代になっています。
肉の加熱は65度からおきますが、40度から65度の温度の時間帯を通過することによって旨味成分のイノシン酸が生じます
昔は衛生面の上から強火で加熱して食べるとされてきたのが、現在はよりよく美味しく食べるという風に手法が変わってきています。
それは衛生状態も物流も良くなって、食材が置かれる環境が時代とともに変化したということです。
中でも物流が一番早いのがご家庭の食材をお買い求めになるスーパーマーケットですから、その物流の良さを利用して、食材をよりよく美味しく、「鶏肉」なら柔らかくジューシーに食べましょうということです。
この料理は、鍋やいろんな料理器具を使うことなくフライパン一つで作り上げます。

「鶏もも肉」を焼き付けましたら、タレとして「酒」「みりん」「醤油」を加えて味を絡めます。
ここで「酒」と「みりん」を加えることが大事なんです。
それは「鶏もも肉」に長く火を入れることなく、早く煮詰めて手早く仕上げるということです
中火の強で「鶏もも肉」に火を入れて、皮目の片面に焼き目を付けながら7割ほど火が入るまで加熱したら、「しいたけ」「長ネギ」を入れ、さらに焼きます。
皮目にこんがり焼き色がついていましたら裏返し、ここでキッチンペーパーで余分な脂と汚れを拭き取ります。


拭き取りましたら、フライパンに「酒」「みりん」を加えて強火で沸騰させます。


沸騰したら「醤油」を入れて汁気がなくなるまで泡が立つくらいの強火で煮詰めます。


最後に「ししとう」を加えて味を絡ませれば出来上がりです。
器に盛っても、このままカセットコンロの上で召し上がってすき焼き気分を味わうこともできます。

野趣に溢れた〈鶏のくわ焼き〉完成です。

  材料〈2人前〉

 材料

鶏もも肉 大1枚/長ねぎ 2/3本/しいたけ 2枚/ししとう 4本/酒 大さじ3/みりん 大さじ3/しょうゆ 小さじl · l /2/小麦粉適量


作り方

① 長ねぎは斜めに浅く切り目を入れ、4cmの長さに切る。しいたけは軸を除く。ししとうは包丁の先で一カ所穴を開ける。鶏肉は7~8mm厚さの一口大にそぎ切りにし、小麦粉を薄くまぶす。
② フライパンに油を熱し、鶏肉を入れて強火で焼く。こんがり焼き色がついたら裏返し、フライパンのあいた所に長ねぎ、しいたけを加えて、さらに焼く。
③ 鶏肉の返した面にも焼き色がついたら、ペーパータオルでフライパンの油と焦げを拭き取る。
④ ししとう、<A>を加え、汁気が殆どなくなるまで1~2分、煮絡める。ししとうは火が通ったら途中で取り出す。
⑤ 器に鶏肉を盛り、野菜を添える。

ハケを使って小麦粉をまぶすと、余分な粉がとれ、ヘルシーに食べられます。

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