「ラ・タルタルギーナ」
濱崎泰輔
どんなお魚でも、切り身でもできる!塩加減が味の決め手
口伝
アンコウのアクアパッツァ
本日の「アンコウのアクアパッツァ」では「アンコウ」を丸のまま一尾分を用意しました。
アクアパッツァとは、水の中に素材を入れグツグツ煮出して、旨味を引き出し味を染み込ませて美味しくするという料理法です。
この料理はシンプルに作られるがゆえに、塩加減が非常に大切になります。
また「アンコウ」は塩見がつきづらい魚ですので、強めに塩を効かすとよろしいかと思います。
今回は「アンコウ」を使いますが、メバルや金目鯛、切り身の魚でも美味しく作ることができます。
調理する
今回ご用意した「アンコウ」は北海道天塩町から届いたものです。
皮を剥いだ「アンコウ」全体・両面にしっかり「塩」をふります。
「水」を張った鍋に入れますが、必ず火の入っていない「水」の状態から入れます。
「水」の量は「アンコウ」からも水分が出ますので、身が半分浸かるくらいヒタヒタの状態にします。
鍋に入れてから「水」を調整してください。
鍋に「ミニトマト」「ケッパー」「黒オリーブ」「にんにく」「ムール貝」を加えます。
「水」が冷たいうちから具材を入れるのは、温かいところに「魚」を入れてしまうと急激に火が入ってしまい、旨味が固まってしまいますので必ず「水」の状態から入れて、急がずじっくり調理をします。
さらに、刻んだ「イタリアンパセリ」と「オリーブオイル」「塩」を加えます。
煮汁が沸きましたら中火にします。
入れる魚介は出汁が出るアサリなどの貝や魚介類でしたらなんでも構いません。
「ムール貝」に火が入って開きましたら、1分くらいしてから鍋から取り出します。
この状態で「ムール貝」の旨味は「煮汁」に出ています。
ここからは「アンコウ」に地道に20分ほどかけて煮汁をかけながら火を通します。
この時、あまりに水分量が減ってしまいましたら、「水」を加えて調整してください。
「アンコウ」の下と上の面では火の当たり方が違いますので、絶えず「煮汁」を回しかけるようにします。
ある程度しましたら、「にんにく」を取り出します。
本日のように大きめの魚を一尾使う場合は、なるべく強めの味にしないと、あとで捌いた時に「煮汁」をかけても味がのってこず、味がぼやけてしまうので塩味はこの時点で決まるようにします。
「煮汁」がかなり減ってきましたら、「アンコウ」から旨味が出ている状態ですので、味見をしてから強火にして、先ほど取り出した「ムール貝」を再び鍋に戻します。
この時、取り出している間に「ムール貝」から出た汁があれば、これも一緒に鍋に加えます。
調理する
鍋に「煮汁」が少し残った状態で、「ムール貝」が温まりましたら、「アンコウ」を器に盛ります。
「アンコウ」の周りに「ムール貝」を置き、「煮汁」を全体にまわしかけます。
最後に「イタリアンパセリ」「エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル」をかけて出来上がりです。
魚の旨味をしっかり引き出した〈アンコウのアクアパッツァ〉の完成です。
材料〈4人から5人前〉
材料 |
アンコウ 1尾(700g)/塩 適量/水 適量 |
〈A〉 |
ムール貝 6個/ミニトマト 6個/ブラックオリーブ 7~8粒/ケッパー 大さじ1・1/2/にんにく 2片/EXバージンオリーブオイル 大さじ2~/イタリアンパセリ 適量 |
作り方
※アンコウは頭、皮、内臓とったものを使う
【下準備】
・ミニトマトを半分に切る
・ブラックオリーブの種を取る
① アンコウの表面にまんべんなく塩をふり、フライパンにアンコウを入れアンコウが半分浸かるくらいの水を加え、火をつける。
② ①に<A> と塩少々を加え沸騰したら中火で煮る。貝は口が開いてから1分ほどしたらとりだし、にんにくも柔らかくなったら取り出しておく。魚に煮汁をかけながら20分ほど煮る。途中煮汁がつまってきたら水を足す。
③ 仕上げに貝を汁ごと戻し入れ、さっと強火で温め完成。器に盛りイタリアンパセリを散らし、EXバージンオリーブオイルを回しかける。
◆アンコウは塩がききにくいため強めにする。
◆煮汁を回しかけることによって魚全体に均等に火が入り、ふっくら仕上がる。
◆魚は切り身でもいいが骨つきだと骨からのうまみもでるので味に深みがでる。ースの出来上がりと、スパゲティのゆで上がりのタイミングを揃える。
料理塾