「ラ・テンダロッサ」
西沢健三
チョコレートが決め手のシェフ修行時代の味
口伝
ティラミス
「ティラミス」は「マスカルポーネチーズ※1」と「砂糖」「卵」で作るシンプルな、世界中どこでも食べられるイタリア定番のドルチェ(デザート)です。※1_マスカルポーネMascarpone 「絶品」と云う名の、牛乳から作られる柔らかくてクリーミーなやや甘味のあるチーズ。
チョコレートを溶かす
西沢(テンダロッサ)スタイルの「ティラミス」は、一番下にピエモンテのヘーゼルナッツが入った「ジャンドゥーヤチョコレート」を流し込みます。
常温に戻した「チョコレート」を鍋に入れ、「生クリーム」を加えて溶かします。
火を入れすぎると「チョコレート」が分離してしまいますので、火加減は弱火で溶かします。湯煎で溶かしても構いません。
本来「ティラミス」に「チョコレート」を流し込む必要はないのですが、私のイタリア修行時代、仕事が終わった深夜にはアイリッシュバーかピッツァ屋くらいしか空いていませんでした。
そんな中で私の週末の休み前の密かな楽しみは、ピッツァと自分へのご褒美として「ティラミス」を食べることでした。
その「ティラミス」は大きな器に入っていて、最後に「チョコレート」が敷かれていました。
「ティラミス」も美味しんですが、その最後の「チョコレート」が仕事で疲れた体にはことさら美味しかったというのが、私の修行時代の「ティラミス」の思い出です。
その思い出の味を、お店の「ティラミス」定番の味としました。
「チョコレート」が溶けましたら、器に1cmほどの高さに流し込んで冷蔵庫で冷やしておきます。
ティラミス・クリームを作る
ボウルの中で混ぜ合わせるのですが、タオルをねじり鉢巻のようにねじって、ボウルの下に引きますとボウルが固定されて作業しやすくなります。
ボウルに「マスカルポーネチーズ250g」「卵黄1個分」と「全卵1個」、「砂糖」を入れ、よく混ぜ合わせます。
泡立て器を使って手で混ぜ合わせますが、電動のものでも勿論かまいません。
「卵」と「砂糖」がしっかり混ぜ合わさって、クリーム状になるまでしっかり混ぜます。
生クリームを作るときと一緒の要領ですが、「マスカルポーネ」は生クリームよりも乳脂肪が高いので、混ぜすぎても分離しますのでご注意ください。
ティラミスを成形する
先ほど「チョコレート」を流し込んで冷蔵庫で冷やした器に、「ティラミスクリーム」を器の半分くらいまで入れます。入れましたら平らな場所で軽く器を叩いて空気を抜きます。
その上に「スポンジケーキ」を敷きつめます。
イタリアではビスコッティ・サヴォイアルディ (biscotti savoiardo)というフィンガービスケットを使いますが、本日は市販の「スポンジケーキ」を使います。
「スポンジケーキ」に「エスプレッソ」を染み込ませます。「エスプレッソ」がない場合は、インスタントコーヒーを濃いめに溶かしたものをお使いになれば十分美味しくできます。
濃厚な「マスカルポーネチーズ」とほろ苦い「エスプレッソ」は非常に相性が良いのでたっぷりと使います。
「エスプレッソ」を染み込ませた「スポンジケーキ」の上に、さらに「ティラミスクリーム」をのせ、また平らなところで叩いて空気を抜きます。
最後の仕上げに「ココア・パウダー」をふりかけ、冷蔵庫で約30分冷やしてからお召し上がりください。
「チョコレート」がキメ手、西沢(テンダロッサ)スタイル_プレーゴ!
材料〈3人前〉
材料 |
ジャンドゥーヤ・チョコレート(※1) 適量/生クリームまたは牛乳 少々 スポンジケーキ(市販) 適量/エスプレッソ 適量/コカパウダー 適量 |
〈A〉ティラミスクリーム |
マスカルポーネチーズ 250g/砂糖 40g/卵 1個/卵黄 1個 |
※1.ローストして、細かく砕いたヘーゼルナッツなどを加えたチョコレート。製菓材料店で購入できる。
作り方
① 鍋にチョコレートと生クリームを入れ、弱火でチョコレートを溶かす。器に1センチ位の高さで流し込み、冷蔵庫で冷やす。
② ボールに<A>を入れ、ティラミスクリームを作る。ホイッパーでつのが立つくらいまでしっかり混ぜる。
③ ①の器にティラミスクリームを器の半分ほど入れ、スポンジケーキをしき、エスプレッソをしみ込ませる。同じ作業をもう一度繰り返す。最後にココアパウダーを振り、冷蔵庫でよく冷やす。
◆チョコレートを溶かす時は、湯煎にかけると失敗しにくい。
◆マスカルポーネ、卵は、冷たい方が混ぜる時に分離しにくい。
◆エスプレッソのかわりに、濃いめに溶いたインスタントコーヒーでも良い。
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