「エックス」
山下敦司
パーティのメインに丸鷄ロースト
口伝
丸鷄のロースト
「丸鷄のロースト」はクリスマスなどで作られます。
簡単な上、出されると皆様喜ばれますので是非試してください。
丸鷄の処理
胸身と背中側を間違えないようにして、背中側を上にします。
背中側の首の皮に切り込みを入れて首を出します。
そしてなるべく奥の方でV字に首をカットします。
カットした周りに余分な脂がありますので手で取り除きますが、その際、爪などで皮が裂けないように気をつけてください。
胸のあたりにV字型の骨がありますので、これを取り除きます。
この骨を取り外さないと焼きあがった後で取り分ける時にササミの部分が取れなくなってしまいます。
手羽の部分は着けたままでも構いませんが、ほぼ食べませんので関節の部分からカットして外します。
次にお尻の部分に脂肪がついている場合はこれも手で取り除きます。お尻の出っ張っている部分にT字の切れ目を入れて、中の臭いのある黄色い脂肪を取り除きます。
胴体の中に栗やベーコン、香り付けにハーブなどを入れたりもしますが、今回はシンプルに作りたいと思いますので、何も入れません。
次に鶏を縫いますゴム通しのような太い針(チキン針)を用意してタコ糸を通して軽く結びます。
針を、モモの付け根から手羽の先端に突き抜けるように突き通します。
胴体を裏返して首の皮をしっかりと伸ばしてピンと張ってから、針を手羽の下から上に突き抜けて糸を通します。
続けて首の下に針を入れて反対側に突き通します。突き通した側の手羽の上から下に針を入れて突き通します。
再度胴体をひっくり返して胸側を上にして、今度は手羽の付け根からモモの付け根に針を突き通します。
針からタコ糸を外して両脚を外側から縛りましたら、タコ糸を3周巻きます。
こうすることによって縛った時に解けません。さらに固結びした後、リボン結びで留めます。
常温に戻してから練ってポマード状にしたバターを全体に塗りますが、この時、バターを塗る前に塩を振ってしまいますとバターと一緒に流れてしまいますので、必ず塩はバターを塗った後から振ります。
塩を結構きつめに振ります。
鶏肉と豚肉は強めに塩を振っても美味しくいただけます。
この丸鷄を200度のオーブンで20分間焼きます。
裏返してさらに20分間焼きます。
飾りを作る
鶏の足飾りを作ります。料理が華やかになりますので是非お試しください。
A4の紙を半分に折り、2から3cmの折り込みを入れましたら、折り込んだ線に沿って5mm間隔で切り込みを入れます。
紙を開いてテーブルの角などで擦り付けて丸くします。
これを円筒状に丸めますが円筒の大きさを鶏の足の大きさに調整しながら回します。
セロテープで止めてハサミで適当な長さにカットします。
皮はパリッと中はふっくらジューシーにパーティが盛り上がる〈丸鷄のロースト〉完成です。
材料〈二人前〉
材料 |
丸鶏 l kg/塩 適量/バター 適量/粒マスタード 適量 |
作り方
① 丸鶏の背側を上に向けて置き、首の皮に切り込みを入れ首を切り落とす。まわりの余分な脂肪を取り除き、V字の骨を除く。
② さらに手羽を切り落とし、お尻の出っ張っているところにある黄色い脂肪も除く。
③ タコ糸で縫って形成する。鶏をムネ側を上にしておく。ゴム通しのような太い縫い棒(※)にタコ糸をつけ、モモの付根から反対側の手羽の付け根に通す。
④ ひっくり返して手羽の下から刺し、首の下を通って反対側へ縫い付け、手羽の上から下に通す。またひっくり返して手羽の付け根から反対側のモモの付根に通す。針をはずし、糸を足のところで縛る。
⑤ ムネ側を上にして常温にしたポマード状のバターを全体に塗り、その上から塩をきつめにふる。
⑥ 200℃のオーブンで20分焼く。一度取り出し、向きを変えてさらに20~30分ほど焼く。
◆余分な脂 肪を取り除くと鶏の臭み がなくなる。
◆しっかり形よく糸で縛らないと焼いているときに広がってきてしまい、形が崩れる。
◆バターをぬってから塩をしないと焼いているときに塩が流てれしまう。
※チキン針やブリデ針という。
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