古代からの栄養食
小寒の末候_「雉始雊/きじはじめてなく」この時候に「小豆/あずき」をいただきます。
雉始雊_1月15日から1月19日
雉始雊_雄のキジが求愛の音で鳴き始める頃です。
1月の15日は「小正月」です。旧暦では、新年で初めて満月を迎える日になり、本来この日までを「松の内」と言いました。
小正月には、〝小豆粥〟をいただきます。冬至にも同じく小豆粥をいただきますが、冬至の小豆粥が小豆と米だけなのに対し、小正月の小豆粥には餅が入ります。
平安時代の宮中では、小正月に〝米、小豆、粟(あわ)、ごま、黍(きび)、稗(ひえ)、ムツオレグサ〟の七種粥を食べたそうですので、これが形を変えて小豆粥として伝わったのでしょうか。
小豆_コレステロールの上昇抑制に
マメ科、原産地は日本を含む極東アジア。中国、日本、朝鮮半島では赤い色に霊力があり、薬効があるとして重要視された。中でも日本では、年中行事や祝いごとに「小豆粥」や「おはぎ」「赤飯」を食べるなどして特別に大切にしてきた。
【選び方】なるべく新しいものを選び、粒が揃って、赤色が濃くてシワがなく光沢のあるものが良品
【旬の時期】新豆が出回るのは11月から一月頃。
【産地】北海道が9割を占め、兵庫県、京都府なども。「十勝小豆」は普通小豆のブランドで、他に兵庫県の「丹波大納言」、石川県の「能登大納言」も名高い。
【保存の方法】湿気を嫌うため、紙袋に入れて風通しの良い場所に保存。食べ切れない時はあんこに煮て冷凍保存する。
【栄養】35%がタンパク質で、必須アミノ酸、ビタミンB1、カリウム、鉄をバランスよく含む。また、外皮に含まれるサボニンは利尿を促したり、血液中コレステロールを排出して血液を浄化する作用がある。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より