「銀座あさみ」
浅見健二
ほっこりした食感がおいしい
口伝
蓮根のいとこ煮
一般的には野菜の根菜類と小豆を一緒に炊いたものを〈いとこ煮〉と呼びます。
根菜類ですから〝冬至〟などの冬の時期に食べて、体を温めます。
「かぼちゃ」や本日ご紹介する「蓮根」などがよく使われます。
蓮根の処理
「蓮根」は、大きいものですと火が通りづらいので、なるべく小ぶりのものをお選びください。
節の繋がっている部分は、大きく切らずに小さく切ってください。
大きく切ってしまいますと、蓮根の穴から「小豆」が落ちてしまいます。
「小豆」が落ちないよう穴が小さくなるように切ってください。
蓮根の皮をなるべく薄く切ります。
厚く切って身が薄くなってしまいますと、茹でているときに蓮根が割れてしまいます。
皮をむいた「蓮根」は、アクを止めるために水に晒してから茹でます。
鍋の「水」に「蓮根」を入れて「酢」を加えます。根菜類を煮る場合は水の状態から煮るようにします。
「蓮根」に竹串がすっと入る状態になりましたら、火が通っている証拠ですので、火を止めます。
鍋から取り出しましたら、そのまま布巾の上やザルなどに置いて、青菜などのように水につけずに自然に冷ます〝陵上げ〟をします。
「蓮根」が冷めましたら、「蓮根」の穴に、生の「小豆」を詰めますが、目一杯詰めてしまいますと、炊いて「小豆」が膨らんだときに蓮根を割ってしまいます。
「小豆」は穴に対して、6分目から7分目入れるようにしてください。
蓮根と小豆を煮る
「小豆」が詰まった「蓮根」を鍋に並べて、たっぷりの水を加えて茹でます。「調味料」は、「小豆」が柔らかくなってから入れます。
調味料を最初から入れてしまうと「小豆」が固いままで柔らかくなりません。
沸騰しましたら、弱火にして2時間ほど茹でます。
途中、茹で汁が少なくなりましたら、「湯」か「水」を足すようにして「蓮根」が浸っている状態を保ちます。
慌てて作る料理ではありませんので、じっくり2時間ほどを目安にお作りください。
「小豆」が煮上がりましたら、「砂糖」「薄口醤油」の順に加えますが、一度に入れるのではなく、20分から30分間隔で3回から4回に分けて鍋に加えます。
一遍に加えないのは、ゆっくり味を染み込ませるためです。
「砂糖」と「薄口醤油」を加えてからさらに20分から30分煮ます。
途中、味見をしながら、お好みの味に調整してください。
ポイントは、常に「蓮根」が煮汁にヒタヒタに浸かる状態を保つことです。
火加減は、弱火過ぎてもダメなので、煮汁がブクブク音を立てる程度を保ってください。
盛り付け
煮上がった「蓮根」は、縦半分に切ってから食べやすい大きさに切り分けます。「蓮根」の旨味と「小豆」のホッコリが美味しい〈蓮根のいとこ煮〉できました。
材料〈2人前〉
材料 | れんこん 小ぶり6節/小豆 適量/水 適量/砂糖 300g/薄口しょうゆ 大さじ2~ |
作り方
① れんこんは、うすく皮をむき、中に入れる小豆が落ちないように、れんこんの節の部分を切り、水にさらす。
② 鍋に①を入れ、れんこんがかぶる位のたっぷりの水、酢(分量外)を入れ火にかけ、竹ぐしがすっと入るくらいまで茹で、ざるに上げる。(途中湯が少なくなったら足す)
③ ②のれんこんの穴に、小豆(もどさない)を6~7分目までいれる。
④ 直径20cmくらいの鍋に③を並べ、れんこんがかぶるくらいの水をたっぷり入れ、火にかけ、沸騰したら弱火で2時間ほど煮る。(途中水がなくなってきたら足し、常にれんこんがかぶるようにする)。
⑤ 小豆が柔らかくなったら、調味料を何回かに分けて加えながら、さらに20~30分煮る。
⑥ ④を食べやすい大きさに切り、器に盛り完成。
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