「シェ・ イノ」
古賀純二
ワインと香味野菜で奥行きのある味わいに
口伝
鶏の赤ワイン煮
フランス田舎料理の定番「鶏の赤ワイン煮」フランス語で〝コッコーヴァン※〟を作ります。
※コッコーヴァンcoq au vin_フランスの田舎料理の定番。赤ワインで鶏もも肉、ベーコン、マッシュルーム、タマネギなどを煮込んだもの。
本日はシンプルに作りますが、鶏は赤ワインに1晩漬け込んで時間をかけます。
一晩漬け込んだ鶏は風味が良く柔らかくなります。
鶏を赤ワインに漬ける
本日は「大山鶏のもも肉」を使います。
まず「鶏もも肉の皮目」にフォークで穴を開けます。
鶏の皮目には脂の膜がありますが、そこに穴を開けることで皮と身に味が染み込みやすくなります。
次に〝ミルポワ※〟用の野菜を切ります。
※ミルポワmirepoix_ソースやフォンにコクをつけるための、サイの目に切った野菜。生ハムやベーコンを加えることもある。
今回使いますのは「玉ねぎ」「にんじん」「セロリ」「にんにく」です。
これらの野菜をサイの目にカットします。
「セロリ」は〝エコノムeconome〟と呼ばれるピーラー・皮むき器で皮を剥いてからカットします。
「ミルポワ」は、通常ですと「鶏もも肉」と一緒に赤ワインに一晩漬けた後に濾してから赤ワインの部分だけを使うのですが、本日は「ミルポワ」も具として食べてしまおうと思いますので、あらかじめ小さめにカットします。
バットに「赤ワイン」を注ぎ「鶏もも肉」を並べて、カットした野菜「ミルポワ」を入れて、さらにたっぷりの「赤ワイン」を注ぎ、臭み消しの「ローリエ」を加えて一晩寝かせます。
赤ワイン煮を作る
一晩漬け込んだ「鶏もも肉」と「ミルポワ」の野菜の水気を切ります。
「鶏もも肉」の両面に「塩」「胡椒」をしてから「小麦粉」にまぶします。
そのまま焼いても構わないのですが「小麦粉」をまぶすことによって粉の風味が付き、さらにソースに濃度をつける役割もあります。
低温のフライパンに「サラダオイル」を入れ、皮目を下にして「鶏もも肉」を並べてから、火加減を中火の弱火にしてじっくり火を入れます。
皮目に焼き目がついたらひっくり返して、裏にも同様の焼き目をつけます。
別の鍋に「鶏もも肉」を一晩漬けた「赤ワイン」を入れて、ボトルに残った残りの「赤ワイン」を注ぎ、火にかけてアルコール分を飛ばします。
アルコールを飛ばした「赤ワイン」を「鶏もも肉」をソテーしたフライパンに注ぎ「チキンブイヨン」を加えてゆっくり煮込みます。
「鶏もも肉」に火が入りましたらフライパンから取り出します。
別のフライパンに「サラダオイル」と水気を切った「ミルポワの野菜」を入れて、軽く「塩」をふり、弱火の強火くらいの火加減でゆっくりソテーします。
ソテーした「ミルポワの野菜」を「赤ワイン」ソースのフライパンに加えて、先ほど取り出した「鶏もも肉」を再度入れて2分から3分煮込み火が入りましたらまた取り出します。
アクを取り除きながら「赤ワインソース」にとろみがついて、泡がだんだん大きくなりましたら仕上げに入ります。
お好みで「無塩バター」を加えます。
「無塩バター」を加えることにより「赤ワイン」との相性が良くなります。
「無塩バター」が溶けましたら、また「鶏もも肉」を戻し入れて軽く煮込みます。
付け合わせを作る
塩茹でした「プチオニオン」を「サラダオイル」で軽くソテーします。
別の低温のフライパンで「生ハム」をごくごく弱火で火を入れます。
「生ハム」の脂と僅かな「サラダオイル」で「マッシュルーム」にも火を入れ、最後に軽く「塩」をふります。
これで「生ハム」の旨味を「マッシュルーム」に染み込ませることができました。
「鶏モモ肉の赤ワイン煮」と「付合わせ」を器に盛りつけましたら出来上がりです。
フランスの田舎料理の定番〈鶏の赤ワイン煮〉の完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
鶏モモ肉 2枚/玉ねぎ 1/2個/にんじん 1/4本/セロリ 1/2本/赤ワイン 1本(750ml)/ローリエ 2枚/塩・コショウ 適量/小麦粉 適量/バター 50g/サラダオイル 適量/チキンブイヨン 適量/パセリ(みじん切り) 適量/ニンニク 1片 |
付け合わせ |
小玉ねぎ(塩茹でしたもの) 2個/マッシュルーム 2個/生ハム 1枚 |
作り方
① 鶏モモ肉は皮目をフォークで刺し、1枚を4等分にカットする。
② 玉ねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクは5~7mmの角切りにする。
③ バットに赤ワインを少し入れ、鶏モモ肉、切った野菜、ローリエを入れ、上からひたひたになる位赤ワインを注ぎいれ、ぴったりとラップをかけ、一晩漬け込む。
④ 一晩漬けたら鶏モモ肉、ローリエを取り出し、ザルを使い野菜の水気を切る。
⑤ 鶏モモ肉両面に塩コショウ、小麦粉をまぶし、サラダオイルを引いたフライパンでソテーする。低温で皮目から焼いていく。その後中火にし焼き目がついたら裏面を焼く。
⑥ 鍋に漉した赤ワイン、ローリエと漬け込んだときに使用した残りの赤ワインを注ぎいれて、火にかけアルコールを飛ばす。
⑦ アルコールを飛ばした赤ワインを⑤のフライパンに入れる。
⑧ ⑦にチキンブイヨンを加え鶏肉に火を入れる。
⑨ 別の鍋にサラダオイルをひき、一晩赤ワインに漬けた野菜(ミルポワ)に軽く塩をして弱火で炒めていく。
⑩ 火の入ったミルポワを⑧のフライパンに入れ、鶏肉と一緒に煮込んでいく。鶏肉に火が入ったら鶏肉を取り出す。
⑪ アクが出たら取りながら、煮込みソースにとろみがついたらローリエを取り出し、バターを入れある程度溶けたら鶏肉を戻し煮込む。仕上げに塩、こしょうで味を整える。
⑫ 付け合せ・・・・・フライパンにサラダオイルをひき縦半分に切った小玉ねぎを炒める。低温のフライパンに生ハムをのせ、極弱火で火をいれてゆき、縦半分に切ったマッシュルームも入れる。生ハムは焼けたら取り出し適当な大きさにカットする。少しサラダオイルをひき、マッシュルームを生ハムのエキスで炒め、塩をする。
⑬ 皿に鶏肉を盛りつけ、ミルポワたっぷりのソースをかけ、付け合わせを添え、パセリを振りかけて完成。
◆鶏肉をミルポワと一緒に一晩ワインに漬けておくことで香り高い仕上がりになる。