「ヒカリヤ」
髙橋有希
春の薬味たっぷりのサラダ仕立て
口伝
鰹のたたきと春野菜のポン酢ジュレ
初鰹をたたきにして春野菜を添えてポン酢ジュレをかけたいと思います。
野菜の下処理
「玉ねぎ」のヘタを落としてなるべく薄くスライスします。
「みょうが」を縦割りにして、これも薄くスライスします。
「分葱」は斜めの薄切り〝笹うち〟にします。
スライスした「玉ねぎ」「みょうが」「分葱」を同じボウルに入れて水にさらします。
水にさらすのはシャキッとさせる目的もありますが、「玉ねぎ」「みょうが」「分葱」のアクを抜く効果もあります。
しっかりと合わせると三色の綺麗な薬味ができます。
「うど」は縦半分に切ってから3cm幅くらいの短冊切りにします。
「うど」の皮は厚めにむきますが、むいた皮は金平などにすると美味しく召し上がれます。
「うど」もアク抜きのために水にさらします。
「ラディッシュ」は葉を落としてスライスして水につけてシャキッとさせます。
「貝割れ大根」は根元を切り落としてから半分に切り分け、これも水にさらします。
「大葉」は手でちぎります。
手でちぎると食欲をそそる香りになります。
「オレンジ」の頭と尻を切り落とし皮をむいてから、縦に4等分にして中心の硬い部分を落として三等分ほどにします。
「こごみ」は茹でたものを半分に切って切り口を見せると面白い形になります。
ポン酢ジュレを作る
鍋に「ポン酢/市販のもので可」を少量鍋に入れて火を点け、水で戻しておいた「板ゼラチン」を加えます。
「ゼラチン」は人肌くらいの温度になりますと溶けますので、溶けましたら残りの「ポン酢」と合わせ、ボウルなどに移して冷蔵庫で冷やし固めます。
鰹のたたきを作る
三枚におろした「鰹/市販のもので可」に血合いがあれば親指で押して血を抜きます。
火が通りやすくなるように「鰹」の皮目の数カ所を串で突きます。
串を「鰹」の皮から1mmくらいのところに、等間隔で手で持ったときに扇状になるように刺すと焼きやすくなります。
串を打ち終えましたら、「鰹」の両面に「塩」をします。
この「塩」は、「鰹」が水っぽくならないためと、「塩」を伝って熱が通って早く焼けるようにするためです。
「鰹」の皮面の皮の硬い尻尾側の方から焼きます。
火は下に近づけると低温で、上の炎が無いあたりが一番高温ですので、高温のところで一気に焼きます。
金串があれば家庭のガスコンロで焼けますし、金串がなければガスバーナーで焼くことも可能です。
皮面が焼けましたら、腹側もサッと白くなる程度に焼きます。
焼きすぎると焼き魚になってしまいますので、中がレアな状態にします。
「鰹のたたき」を切り分けますが、身の分厚い方を向こう側・奥にすると切りやすくなります。
盛り付け
「玉ねぎ」「みょうが」「分葱」の薬味を土台にしながら「鰹」を盛りますが、
皿の奥が高くなるようにして、手前に流れるように盛り付けるのが日本料理の基本です。
残りの「ラディッシュ」「貝割れ大根」「うど」「オレンジ」「こごみ」の野菜を盛って彩りをつけたら、「ポン酢ジュレ」をかけます。
「鰹のたたき」のそばに「おろし生姜」を乗せ、ちぎっておいた「大葉」を散らします。
また、脂の少ない初鰹ですので「太白ごま油」「オリーブオイル」を回しかけると美味しく召し上がります。
最後に「天然塩」を散らせば出来上がりです。
初鰹の味を引き立てるさまざまな薬味でお召し上がりください〈鰹のたたきと春野菜のポン酢ジュレ〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
かつお 1さく/玉ねぎ(薄切り) 1/2個/みょうが(薄切り) 3個/分葱(斜め薄切り) 1/5束/うど(短冊切り) 1/3本/こごみ 8本/かいわれ 1/2パック/オレンジ 1個/ラディッシュ(薄切り) 1個/大葉 4枚/しょうが(おろし) 少々/ポン酢 180ml/ゼラチン 5g/塩 少々/太白ごま油 (オリーブオイルでも可) 少々/天然塩 少々 |
作り方
① 玉ねぎ、みょうが、分葱は切って一緒に水にさらす。うど、ラディッシュは切ってそれぞれ別のボールで水にさらす。こごみはゆでて水にさらし、食べやすい大きさに切る。かいわれは半分に切り、水にさらす。オレンジは皮をむき、食べやすい大きさに切っておく。大葉は手でちぎっておく。
② 鍋にポン酢、オレンジを切った時に出た果汁を入れる。水で戻したゼラチンを加え、人肌に温め溶かし、バットなどに流しいれ固めておく。
③ かつおは串を打ち、塩をあてて直火であぶる。
④ ③のかつおを切り出し、盛り付ける。①の薬味をあしらい、ポン酢ジュレをかけ、太白ごま油をまわしかけ、天然塩をかつおにのせる。
◆盛り付けのポイントは奥を高く、手前に彩りを置くと美しく美味しそうに仕上がる
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