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鯛の淡煮

「分とく山」
野﨑洋光

出汁を使わず水から煮て、すっきりとした味わいに

口伝

鯛の淡煮

魚の淡煮を作ります。本日は鯛で作りますが、鰆や金目鯛、ブリでも作ることができます。

具材の下処理

火が通りやすくするために「鯛」の皮面に十字に包丁を入れます。
「鯛」の両面に「塩」をして、20分から30分おきます。

煮魚は、沸騰した煮汁の中に入れて表面のタンパク質を固めて旨味を逃さないようにする、と云われてきましたが、実はそれでは味がしみません。
なぜしみないかと云いますと、タンパク質を固めてしまうと味が入らないからです。
生のうちに塩気を入れて、鯛なら鯛、鰆なら鰆、本来の魚の味を食べること、素材の味を活かすことが大事です。
ですから魚を煮るときには出汁は必要ありません、水で十分です。

「長ネギ」を長さ5cmほどに切り、火の通りを良くし食べやすくするために、側面に5箇所ほど包丁目を入れます。

煮魚は煮ない、煮れば煮るほど不味くなります。ですから10分以上煮ず、切り身の場合は5分以上煮ずに仕上げます。

「絹さや」の筋を取ります。

鍋に沸騰したお湯に、「絹さや」「しいたけ」「長ネギ」を入れて湯通しします。

「しいたけ」は湯通しすることで「しいたけ」のアクを取ります。この湯通しで「しいたけ」の旨味が逃げるということはありません。

我々がシャワーやお風呂に入るのと同じように、野菜も湯通しすることでスッキリした味になります。
この一手間が大事になります。また、この一手間は素人の方だからこそ、やっていただきたいことです。

湯通しした「野菜類」は冷水に取ります。
「鯛」も鍋の湯に入れて湯通しして、身が白くなりましたら取り出しますが、これを〝霜降り〟と云います。

霜降りした「鯛」を冷水で軽く洗います。
こうすることで、ゼラチンが溶けずに味が締まります。

大事なのは鍋の大きさです。大きな鍋ですと煮汁がたくさん必要となりますので、具材にあった鍋を選びます。

鍋に、霜降りした「鯛」「豆腐」「長ネギ」「しいたけ」を入れます。
具材が重なりましても〝落し蓋〟の代わりになります。

ここに煮汁の1/15の分量の調味料、「酒」「薄口醤油」を入れます。この分量で〝そばつゆ〟程度の濃さの味になります。

煮る

冷たい「水」の状態から火にかけ、沸騰したらほぼ完成です。

魚の表面のコラーゲンやタンパク質が残ったしっとりとした出来上がりにするには、煮すぎないことです。

極端な云い方をしますと、魚版のローストビーフを作る感覚です。

鍋の煮汁が沸騰しましたら、「ワカメ」を入れます。

「水」で煮ていますが、すでにここで十分味がしみていますが、芯まで火を通すために1分から2分さらに煮ます。

2分ほど煮ましたら、それ以上は煮ないことが大事です。

器に盛り付ければ、栄養のバランスの良い〈鯛の淡煮〉の完成ですが、残った煮汁は〝うどん〟や〝そば〟〝雑炊〟のおつゆに使うことができます。

  材料〈2人前〉

 材料

  2切れ/塩  適量/椎茸  2個/長ネギ20cm長さ  1本/豆腐  1/2丁/ワカメ  60g/絹さや  3個

〈煮汁〉

  300cc/薄口醤油  20cc/日本酒  20cc

 

作り方

① 鯛の皮目に十字に切れ目を入れ、両面に薄く塩をふり、20~30分置く。
② 長ネギは5cm長さに切り、側面に食べやすいように数カ所切れ目を入れる。
絹さやのスジを取る。椎茸の軸を取る。
③ 沸騰したお湯に絹さや、椎茸、長ネギをさっと湯通しし冷水にとる。①の鯛も湯通しし表面が白くなったら、冷水に取り、軽く洗う。
④ 鍋に鯛、豆腐を入れ水を加える。被せるように長ネギ、椎茸を入れる。そこに酒、薄口醤油を入れ火にかける。
⑤ 沸騰したら弱火にしワカメを入れる。1~2分で火を止め器に盛りつけ完成。

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