「慈華」
田村亮介
じんわり体に染み渡る四川料理の名菜をご家庭で
口伝
鶏肉のおぼろ豆腐スープ/鶏豆花(ジードーファー)
本日の「鶏肉のおぼろ豆腐スープ」は、四川料理の名菜で昔から作られているスープですが、料理名に豆腐とありますが、豆腐は一切使いません「鶏肉」を使って「おぼろ豆腐」のような食感を出しながら、優しい味わいの内側からじんわり温まるスープです。
鶏肉の下処理
「鶏のささみ」には筋と薄い皮が残っていますのでこちらを取り除きます。
「鶏のささみ」には真ん中に太い筋がありますが、包丁で外側の見えるところにある筋を取り除くようにします。
同じように薄皮も包丁で取り除きます。
薄皮と筋を取り除いたら、ひと口大に切り分け、ミキサーに入れ「卵白」を入れて攪拌します。
このあと「中華スープ」も加えますが、はじめから液体を入れますと細かくなりにくくなりますので、「中華スープ」は徐々に入れるようにします。
「鶏のささみ」がある程度滑らかになりましたら、「中華スープ/清湯(チンタン)※」もしくは「水」を少しづつ加えます。
※清湯(チンタン)の作り方はこちらをご覧ください。
この時、「中華スープ」もしくは「水」は必ず常温で冷めたものを入れるようにします。
熱があるものを入れてしまうと、「鶏のささみ」に火が入って口当たりが悪くなってしまいます。
「塩」と「水溶き片栗粉」を入れて軽くまとめます。
「鶏肉」が完全に滑らかなペースト状にすることが大切です。
先ほどの薄皮や筋がしっかり取り除かれていないと、ここでペーストが引っかかったり、細かくなりにくくなります。
「鶏のささみペースト」をミキサーからボウルに移します。
スープを作る
鍋に「中華スープ(市販品を使う場合は薄めて使う)」を入れて、「ペースト」を泡立て器で崩しながら入れます。
こうすることで鶏肉がおぼろ豆腐のような食感になります。
「中華スープ」が沸騰した段階で「鶏肉ペースト」を入れ、最沸騰した段階で弱火にします。
この段階からアクが出ますので、丁寧にアクを取り除きます。
シンプルな料理ですので、この丁寧なアク取りが大事になります。
目安としては4分から5分アクを取りながら煮ると、スープが澄んで透き通って鶏の旨味が出てきます。
このスープは滋味深く優しい味ですので、鶏の旨味がふわっと出てくる程度の「塩」を入れます。
器に盛り付けるときは、スープが濁らないように優しく静かに盛るようにします。
最後に「クコの実」を添えて出来上がりです。
体が優しく温まる〈鶏肉のおぼろ豆腐スープ〉完成です。
材料〈2人前〉
材料 |
キャベッ 20g/玉ねぎ 60g |
〈A〉 | 卵白 4個分/中華スープ(※)(冷ましたもの) 200ml/水溶き片栗粉 大さじ2(倍量の水で溶いたもの)/塩 小さじ1/4 |
※中華スープは鶏がら、または豚と鶏のひき肉でとる清湯(チンタン)。有塩の市販品を使う場合は表示よりも薄味にして塩分を調節する。
作り方
① ささみは筋と薄皮を取り除き、一口大に切る。ミキサーにささみとAの卵白を入れて撹拌し、全体が均一に混ざったら<A>の中華スープを少しずつ加えながら撹拌する。残りの<A>の材料を入れ、なめらかなペースト状になるまで撹拌したらボールに移す。
② 鍋に中華スープ入れて強火で沸騰させ、①を加えて泡立て器で混ぜ続ける。そぼろ状になって再沸騰したら弱火にする。アクをすくいながら4~5分煮て、煮汁が澄んで鶏肉のうまみが出てきたら塩で味を調える。
③ 器に静かによそい、クコの実を飾る。
◆なめらかなペースト状にするほど、口当たりのよい仕上がりになる。
◆アクを丁寧にすくうと、クリアですっきりとした味わいになる。
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