「慈華」
田村亮介
料理のベースとして幅広く使える、澄んだ味わい
口伝
中華スープ 清湯(チンタン)の作り方
中華スープには色々な種類があります。
※清湯(チンタン)_ひき肉を使って澄んだとてもクリアーなスープ
※毛湯(マオタン)_鶏ガラを使った力強い万能スープ
※白湯(パイタン)_鶏肉を使い濃縮させて白濁したコクのあるスープ
※上湯(シャンタン)_金華ハムや丸鶏、豚肉などの旨味の出る材料から、濁らないように綺麗に、丁寧に作った中国料理の中では高級なスープ
この中から本日は清湯の作り方をご紹介します。
清湯をある程度多めに作っておくと、小分けにして冷凍保存できますので、ぜひお試しください。
スープを作る
材料は「鶏ひき肉(むね・ささみなど)」「豚ひき肉(赤身)」とどちらも脂身の無いものを使います。
そして「生姜の皮」「ネギの青い部分」を使います。
できるだけ間口の広く深めの鍋に「鶏ひき肉(むね・ささみなど)」「豚ひき肉(赤身)」を火をつけていない状態で入れます。
ここに分量の「水」を少しずつ入れながら、泡立て器で「鶏・豚ひき肉」をほぐしていきます。
固まった状態のひき肉をそのまま火にかけますと旨味が出にくいので、火にかける前に「水」を少しづつ入れて泡立て器で混ぜながら「ひき肉」を1粒1粒ポロポロにして旨味が出やすい状態にします。
「ひき肉」の1粒1粒が離れて、どろどろになりましたら全ての「水」を加え、ここに「生姜の皮」「ネギの青い部分」「紹興酒」を入れて混ぜ合わせます。
ここで初めて鍋に火を入れます。
火加減は強めの中火で沸騰するまで、鍋の底に沈殿している「ひき肉」を攪拌するように泡立て器で静かに混ぜ合わせます。
初めは「スープ」が白く濁っている状態ですが、温度が上昇するようにゆっくり煮ると、これがどんどんクリアーになっていきます。
「スープ」の温度が上がってきますと「ひき肉」が表面に浮いてきます。
沸騰してくる段階になりますとアクが出てきますので、アクをしっかりときれいに取り除きます。
「スープ」が沸騰しましたら、弱火に落としてさらにアクを丁寧に取り除きます。
さらに「ひき肉」が踊るくらいの火加減で30分ほど煮て丁寧に旨味を引き出します。
煮る際「ひき肉」が「スープ」に蓋をした状態になりますと「スープ」が濁ってしまいますので、「ひき肉」を片方に寄せるようにしながら、引き続きアクを取りながら煮ます。
水分量が詰まり旨味の出た、徹底的に取り除いてアクひとつないクリアーなスープが出来上がりましたら、「スープ」を濾します。
濾す際もなるべく丁寧に静かに少しづつ、キッチンペーパーを引いたザルで濾します。
一度に濾してしまいますと、せっかく丁寧にアクをとった「スープ」が、ここで濁ってしまいます。
濾し終えましたら、綺麗な澄んだスープ〈清湯/チンタン〉の完成です。
※スープは、完全に冷めてからペットボトルやチャック付きの保存袋で冷凍保存することができます。また、スープを煮出した「ひき肉」には、まだまだ旨味が残っていますので、はんぺんを加えて肉団子にしたり、スープの具など色々と有効活用ができます。
材料〈2人前〉
材料 |
鶏ひき肉(むね)350g/豚ひき肉(赤身)/水 2L/長ネギ(青い部分)1本/生姜の皮 10g/紹興酒(老酒)大さじ2 |
作り方
① 火を入れる前の鍋(口が広く深いもの)に鶏ひき肉、豚ひき肉を入れ、分量の水を少しずつ注ぎ、その都度泡立て器でひき肉をほぐす。全て注ぎ終えたら、長ねぎ、しょうがの皮、紹興酒を加え、強めの中火にかける。
② 泡立て器で静かにひき肉をほぐしながら、ゆっくりと加熱していく。沸騰したら弱火にし、アクをていねいに取り除く。フツフツとした火加減でひき肉を寄せながら、30分ほど煮る。
③ ザルにキッチンペーパーをひき、②を濁らないよう少しずつ静かに濾す。① 火を入れる前の鍋(口が広く深いもの)に鶏ひき肉、豚ひき肉を入れ、分量の水を少しずつ注ぎ、その都度泡立て器でひき肉をほぐす。全て注ぎ終えたら、長ねぎ、しょうがの皮、紹興酒を加え、強めの中火にかける。
② 泡立て器で静かにひき肉をほぐしながら、ゆっくりと加熱していく。沸騰したら弱火にし、アクをていねいに取り除く。フツフツとした火加減でひき肉を寄せながら、30分ほど煮る。
③ ザルにキッチンペーパーをひき、②を濁らないよう少しずつ静かに濾す。
◆鶏と豚のひき肉は、脂の少ないものが適している。
◆②でスープが沸騰するまでに、鍋のまわりや鍋底にひき肉がくっつかないよう注意する。
◆②でひき肉を煮る際、水面がひき肉で蓋をされてしまうと、濁った仕上がりになり味も濁ってしまう。
◆保存する場合は、完全に冷めてからペットボトルかチャック付きの保存袋に入れて冷凍する。
◆スープをとり終えた後のひき肉は旨みが残っているので、「麻婆豆腐」や「肉みそ」、はんぺんをつなぎにした「肉だんご」として活用できる。
料理塾