「分とく山」
野﨑洋光
手作りもみじおろしと共にいただく白子の揚げ出し
口伝
白子煎りだし
「煎りだし」というのは〝揚げ出し〟のことです。
煎りだしを作る
一口大に切った「白子」に「小麦粉」をまぶします。
この時ハケを使いますと余分な「小麦粉」がつかずに綺麗にまぶせます。
鍋に「鰹と昆布の出汁」を入れて「薄口醤油」「みりん」を入れ弱火にかけておいて、「白子」が揚がる同時に熱々のものをかけるようにします。
小麦粉をまぶした「白子」を「天ぷら衣」に通して揚げますが、この時の油の温度は170度くらいにしてください。
本日は「出汁」をかけますが、ソースや辛子醤油をかけても美味しく召し上がれます。
「白子」の衣の表面がカリッとしてくれば中に火が通った頃合いです。
上げ上がりの目安は、揚げ油のはねる音が入れ立ての頃よりも優しく軽やかになった時です。
器に揚げたての「白子」を入れて、温めていた熱々の「出汁」をかけて、「もみじおろし」と「かもじねぎ」を乗せれば出来上がりです。
とろとろの白子を熱々の出汁でお召し上がりください〈白子煎りだし〉の完成です。
もみじおろしの作り方
一般的には「大根」に穴を開けてそこに「唐辛子」をすって「もみじおろし」を作るとされていますが、この作り方ですと大量の「もみじおろし」を作ることになり、一般家庭では多すぎる量です。
そこで少量の「もみじおろし」を作る方法をご紹介します。
まず「大根」を1cmから1.5cm幅くらいの輪切りにしてさらにそれを半分に切ります。
切った半分の「大根」の上に「唐辛子」を乗せて、片方の半分の「大根」で挟んでサンドウィッチにしてから、そのまますりおろすと簡単に「もみじおろし」ができます。
しっかりと「大根」を手で挟みながらすりおろすと「唐辛子」が抜けることはありません。
この作り方ですと、使い分だけの「もみじおろし」が簡単に作れます。
おろしたてが風合いが良いので、食べる直前におろして水気を切って添えてください。
かもじねぎの作り方
ねぎを刻んで〝髢(かもじ)=女性が日本髪を結うときに使う髪留め〟のような形にしますので「かもじねぎ」という名前です。
「ねぎ」の中の芯を抜いて側のみを繊維に対して垂直に千切りします。
(繊維に沿って千切りしたものが白髪ねぎです。)
「生姜」を桂むきにして千切りにします。
切れ味の悪い包丁で千切りにしますと口当たりが悪くなりますので、切れる包丁をお使いください。
千切りにした「かもじねぎ」と「生姜」を水にはって、「せり」を刻んだものを加えて、水気を切って器に盛ります。
「せり」はセロリでも、三つ葉、クレソンなどでも結構で彩りを加えるために入れてください。
この「薬味」を「もみじおろし」と加えることによって味のアクセントとなります。
材料〈2人前〉
材料 |
たらの白子 120g/小麦粉 適量/天ぷら衣 適量/揚げ油 適量 |
〈A〉つゆ |
だし汁 1カップ/薄口しょうゆ 大さじ1 /みりん 大さじ1/2 |
もみじおろし |
大根(半月切り) 1~1.5cm/赤唐辛子 2~3本 |
かもじねぎ |
長ねぎ(白い部分) 10cm/しょうが 適量/せり(葉の部分) 適量 |
作り方
① もみじおろしを作る。種を除いた唐辛子を大根ではさみ、おろし金ですりおろし、水気を適度にきっておく。
② かもじねぎを作る。ねぎは半分の長さに切り、白髪ねぎにする。しょうがは針しょうがにする。せりは葉の部分のみ少量使用する。白髪ねぎ、針しょうが、せりを合わせて一度水にさらし、水気をきる。
③ 白子は一口大に切って刷毛で小麦粉をまぶす。天ぷら衣にくぐらせて、170~180℃の揚げ油で揚げて器に盛る。
④ 鍋に<A>の材料を入れて温め、③に注ぐ。①の紅葉おろし、②のかもじねぎをのせる。
◆せりの代わりに三つ葉やクレソンでも。
◆小麦粉は刷毛でまぶすと、余分な粉がつかない。
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