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「分とく山」
野﨑洋光
新玉ねぎの甘みで貝柱の旨みを引き出した優しい味わいのスープ
口伝
玉ねぎと貝柱のスープ
この時期の新玉ねぎの甘さを存分に味わっていただきたいと思います。
また〝胡椒〟は鎌倉時代に韓国に輸出された記述があり、少なくとも室町時代から日本にありました。
さらに〝干し貝柱〟のほとんどは日本で生産されています。
この料理は一見欧米風の料理に見えますが、立派な日本料理ですのでぜひ味わってみてください。
このスープに使います〝干し貝柱〟は高価な食材ですが、くずれた貝柱〝割れ干し貝柱〟をお求めいただければそれほど高価になりませんのでぜひお作りください。
スープを作る
ボウルの水に「干し貝柱」を「昆布」と一緒に1時間ほど浸けます。
1時間経ち戻した「貝柱」と「昆布」を鍋に入れ火にかけます。
「玉ねぎ」を半分に切りましたら、皮目に沿って同じ形の大きさに切り分けます。
鍋の「貝柱のスープ」に「玉ねぎ」と霜降りした「椎茸」を加えます。
この時グツグツ煮るのではなくて弱火でコトコト煮ます。
80度から90度の湯で煮ると食材のの甘味が出てきます。
「椎茸」を霜降りにしますのは、表面の雑菌を取るためです。
こうすることにより綺麗でスッキリとした味になります。
我々がシャワーを浴びたり風呂に入るのと同じように食材も霜降りをすることで、スッキリとした味になりますので是非やってみてください。
霜降りとは熱湯の中にサッと通すことで、「椎茸」の場合は10秒ほどでよろしいと思います。
アクを取りながらコトコト煮ますが長く煮る必要はありません。
大体5分ほどで十分出汁は出ています。
食材をお好みの食感に煮てください。
煮ている途中で「薄口醤油」を入れますが、貝柱が持っている塩分濃度がありますので、それを考慮して分量(レシピでは小さじ1)を調整してください。
最後に茹でた「絹さや」を入れて仕上がりです。
「昆布」は入れたままで結構です。
あとはお好みで〝胡椒〟や〝山椒〟または〝コリアンダー〟などのスパイスを加えてください。
干し貝柱の美味しさを椎茸と玉ねぎを使い存分に滋味のある〈玉ねぎと貝柱のスープ〉の完成です。
材料〈2人前〉
材料 |
新玉ねぎ 1個/干し貝柱 25g※割れたもので可/椎茸 2枚/絹さや 4枚/うす口しょうゆ 小さじ1 |
〈A〉 |
水 500ml/昆布(5cm角) 1枚/酒 25ml |
作り方
【下準備】
・絹さやの筋を取り、ゆでる
①干し貝柱を水で洗い、合わせた<A>に1時間ほど浸しておく。
②新玉ねぎは横半分に切り、縦十字に切ってほぐす。大きいものはさらに一口大に切る。
③椎茸は軸を落とし、熱湯にくぐらせ霜降りする。
④鍋に①を入れ、火にかける。沸騰する直前に、②と③を入れ、弱火で柔らかくなるまで煮る。
⑤仕上げに絹さやを加え、うす口しょうゆで味を調える。
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