「エックス」
山下敦司
フランスの定番料理をおしゃれな前菜に
口伝
冷製パルマンティエ
「パルマンティエ」というのは、基本的にはジャガイモのグラタン料理のことですが、冷製でセルクルを使ったオシャレな料理に仕上げたいと思います。
※パルマンティエparmentier_じゃがいもの発展に貢献した農学者パルマンティエに敬意を評して、ジャガイモを用いる料理に対する総称
牛スネ肉を煮込む
「牛スネ肉」の塊を香味野菜と水で煮込みます。
鍋に、「塩」「胡椒」をした「牛スネ肉」と「香味野菜/人参、玉ねぎ、セロリ(葉でも構わない)、パセリの茎、にんにく(皮ごと)、タイム、ローリエ」を入れ、「水」を加え火にかけます。
「タイム」「ローリエ」は無くても構いません。
火加減は沸騰するまでは強火で、沸騰したら弱火にします。
アクを取り除きながら、水分が少なくなって焦げ付かないように水を継ぎ足し継ぎ足ししながら5時間煮込んでください。
じゃがいものピューレを作る
「じゃがいも」を約2時間塩茹でします。
「じゃがいも」は〝男爵〟ですと煮崩れする恐れがありますので、必ず〝メークイン〟を使ってください。
「じゃがいも」の皮を剥きますが非常に熱いので、布やキッチンペーパーなどを手にあてがって火傷をしないように剥いてください。
また「じゃがいも」は必ず熱いうちに裏ごしするようにします。
裏ごした「じゃがいも」を湯せんにかけて「バター」を加えて混ぜ合わせます。
温めた「牛乳」と「クリーム」を少しずつ加えて混ぜ合わせます。
さらに「塩」「胡椒」を加えて味付けをしますが「ナツメグ」がございましたら入れてください。
最後に水で戻した「ゼラチン」を加えてピューレ状にします。
型に入れる
セルクル(底のない円形の型)の底にラップを鏡のようにピーンと貼ります。
底にラップを貼り付けましたら、先ほどの「ジャガイモのピューレ」をセルクルに入れます。
「ピューレ」は15gから16g、高さ1cmになるようにセルクルに入れます。
入れましたらタオルの上などでトントンと馴らして平らにします。
5時間ほど煮込んだ「牛スネ肉」を手でほぐしますが必ず冷めてからほぐすようにします。
ほぐした「牛スネ肉」に「マヨネーズ」「ピクルスのみじん切り」「粉チーズ」を加えて混ぜ合わせ、先ほど「ジャガイモのピューレ」を流し込んだセルクルの上に入れます。
結構きつく押し込んでも大丈夫ですので、すき間ができないように詰めます。
盛り付ける
セルクルの底のラップを外し、下から押し上げるようにして取り出して皿の真ん中に置きます。
下から押し上げる際は、セルクルの型にあわせて切った厚紙にラップを巻いたものを使います。
飾り付けに「紫ケール、赤水菜、キャラウェイ、なずな、プティオゼイユ、かたばみ、オキザリス」などのハーブを用意しました。
これらのハーブを「パルマンティエ」の廻りに飾り付け、スライスした「トリュフ」を中央にのせれば出来上がりです。
旨味たっぷりの牛肉とジャガイモを重ねた〈冷製パルマンティエ〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
じゃがいも(メークイン) 1個(250g)/牛すね肉 1kg/塩 少々/こしょう 少々 /黒トリュフ 適量/ハーブ 適量 |
裏ごしたじゃがいも100gに対して |
生クリーム(脂肪分38%) 20g/バター 10g/牛乳 40g/板ゼラチン 1.6g/塩 少々/こしょう 少々 |
〈A〉 |
玉ねぎ 1個/人参 1/2本/セロリ 1/2本/パセリの茎 1本分/タイム(生) 1枝/にんにく(皮つき) 2かけ/ローリエ 1枚 |
ほぐした牛肉120gに対して |
マヨネーズ 80g/ピクルス 20g/粉チーズ 20g |
作り方
<下準備>
玉ねぎは4等分に切る。
ピクルスは粗みじんに切る。
① 牛肉は塩、こしょうで下味をつける。鍋に牛肉、<A>の香味野菜、水を入れ、沸騰するまであくをとりながら強火にかける。沸騰したら弱火にし、5時間ほど煮込む。(途中水が少なくなってきたら足す)
② じゃがいもを塩ゆでし熱いうちに皮をむいて裏ごしする。
③ ボールに裏ごしをしたじゃがいも100gを入れ湯煎にかける。バターを入れて混ぜ、温めた生クリーム、牛乳を少しずつ入れる。さらに水で戻したゼラチンを加えて混ぜ、塩、こしょうで味を整える。セルクルの底にラップを張り、高さ1cmくらいまで流す。
④ ①の煮込んだ牛肉を冷まし、ほぐす。ほぐした牛肉に、マヨネーズ、ピクルス、粉チーズを入れ、混ぜる。
⑤ ③のセルクルの中に④の1/4量をすき間ができないように押しながら入れる。
⑥ セルクルの下から押し上げるように取り出し、器に盛り付ける。トリュフをスライスしたものをのせ周りにハーブを飾る。
◆じゃがいもはメークインがいい。
◆今回使用したハーブの名前_紫ケール、赤水菜、キャラウェイ、なずな、プチオゼイユ、かたばみ、オニザキス
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