夏野菜の滋味をいただいて元気を補充
口伝
夏野菜の煮込み ラタトゥイユ
夏野菜をじっくり煮込んだ「ラタトゥイユ」は、南フランス・プロヴァンス地方の郷土料理です。「ラタトゥイユ」は多くの夏野菜を使いコトコト煮込んでいますので、豊富な栄養価を体に吸収しやすい保存のきく料理です。
トマトベースのソースを作る
鍋に「オリーブオイル」をひき、刻んだ「にんにく」と「玉ねぎ/2cm角ほどのざく切りにしたもの」を入れ、「玉ねぎ」の甘みを引き出すようにしっかりと炒めます。
野菜を炒めるときは、先に「塩」を振っておくと野菜の水分が出て手早く炒めることができます。
「玉ねぎ」がしんなりしたら、角切りにした「トマト」を入れ、さらに「タイム/枝から取った葉先」と「バジル/手でちぎったもの」を加えて15分ほどコトコト煮込みます。
「トマト」はフレッシュでも「トマト缶」でも構いません。「トマト缶」は、「ホール缶」と「カットトマト缶」の2種類ありますが、「ホール缶」はトマトが種ごと丸のまま入っていますので酸味があり、「カット缶」は種が入っていませんので酸味が優しいものです。
酸味と甘味のお好みによって使い分けてください。
鍋の「トマトベースのソース」からはどんどん水分が出てきますので、水分を飛ばすように煮込みます
野菜の下準備
本日の野菜は「ズッキーニ」「セロリ」「パプリカ」と夏を代表する野菜「なす」、ソースに「玉ねぎ」「トマト」を使います。
「なす」はアクの出やすく変色しやすい野菜ですので、調理する直前に切るか、切ってから軽く「塩」をふって10分ほど置いたものを使います。
野菜は2cm角ほどのざく切りにしますが、全ての野菜の大きさを均一に切りますと、火入れも均一になり調理しやすくなります。
フランス料理には、日本料理のような「醤油」「味噌」「みりん」などの調味料が無いので、基本的に素材に「塩」「こしょう」をふり、「フォンドボー」「ブイヨン」といった魚や肉の出汁を使った料理です。
この「ラタトゥイユ」のように野菜を煮込んだシンプルや料理の場合は、旨味の元はすべてフレッシュな野菜からとなりますので、野菜はできるだけ新鮮な状態の良いものを選ぶようにしてください。
野菜を炒める
フライパンに「オリーブオイル」をひき、強火で旨味を閉じ込めるように炒めたいので、フライパンをしっかり熱します。
「オリーブオイル」がフライパンの中でサーッと流れるようになったら、十分加熱されたという目安になります。
フライパンに「野菜/ズッキーニ・なす・パプリカ・セロリ」を入れて、しっかり「塩」をふってから焼き色が付くように炒めます。
途中「オリーブオイル」が足りないようでしたら足しながら炒めますが、足しすぎないようにしてください。
「なす」は最初「オリーブオイル」を吸いますが、熱が当たると今度は「オリーブオイル」を外に出す性質がありますので、「オリーブオイル」を足しすぎて料理がベチャッとしないように注意してください。
また、フライパンを動かしすぎると色付きが悪くなりますので、じっくり焼き色をつけるようにします。
煮込む
「野菜」に焼き色がつき、しんなりして角が取れてきましたら、「トマトベースのソース」の鍋に入れます。
「野菜」から水分が出ますので、15分ほど弱火でコトコと煮込みます。途中で水分が無くなってきたら「水」を加えたり、「野菜」の旨味や力が弱く水っぽいと感じたら「顆粒のコンソメ」を入れて味を補い調整いただいてもよろしいかと思います。
野菜全体がしっとりして、旨味が凝縮してきましたら出来上がりです。
温かいままでも、冷蔵庫で冷やしてからいただいても美味しく召し上がれます。またオムレツなどにかけても美味しいです。
彩りが鮮やかで栄養価の高い〈夏野菜の煮込み ラタトゥイユ〉の完成です。
材料〈作りやすい分量〉
材料 |
玉ねぎ 1/ 2個/トマト 2個/ズッキーニ 1本/ナス 3個/パプリカ 1 個/にんにく(みじん切り) 小さじl /2/オリーブオイル 適宜/ハーブ (タイムやバジルなど) 適量 |
※ナンプラーはしょう油を使っても可能です。
作り方
① 野菜はすべて 2c m角に切る。
② 鍋にオリーブオイルをひき、にんにくと玉ね ぎを入れて火にかける。塩少々を振り、にんにくの香りと玉ねぎの甘みが出るまでじっくりと炒める。
③ 玉ねぎが透明になりしんなりしてきた ら、トマトとハーブ (タイムやバジル)を入れ、弱火でコトコトと15分ほど煮る。
④ フライパンに多めのオリーブオイルをひいて強火で熱し、野菜をすべて入れる。塩を振り、野菜が色づくまで炒める。
⑤ ④を③に加えて弱火で10 ~ 15分ほど煮込み、最後に塩で味を整える。
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